内容（「BOOK」データベースより）
 人族とジン族が共存する世界。ヘラス人の王子ペレウスはジン族との和平交渉のため人質となった。人質となったペレウスに待ち受けていたのは、見下される日々。ジン族の姫には『小便王子』と侮辱され、摩訶不思議な力を使うものもいるジン族には敵わないと、彼らに同調したヘラス人の人質からも馬鹿にされる。「戦い方を、だれかから学ばなければ―」傷つき、ジン族を憎んだペレウスは力を求め、ひとりの騎士に戦い方を学ぶ。力を得たペレウスは、ジン族の都市から無事脱出したのだが―。

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なろう出身らしからぬハイファンタジー
 投稿者 tototo  投稿日 2015/2/20
小説家になろうに投稿されていた同名のハイファンタジー小説の加筆版です。
なろうにありがちな主人公が最初から優れた能力で大活躍する（これはこれで面白いのですが）というタイプではなく、
割と堅実に成長していくタイプのハイファンタジーですね。
最近では逆に珍しいかもしれません。

話の構造としては、国家が動乱に巻き込まれる歴史物語を背景に、主人公とヒロインの恋愛物語が展開される、という形。
ある意味ファンタジーとしてはコテコテ、ありがちな（ともすれば古い）設定でありながら、
辟易せずに読めるのは舞台のモデルが馴染みの薄い中世イスラムであるためでしょう。

馴染みのない文化圏がモデルとなると得てしてとっつきにくくなるものですが、
主人公を舞台の文化に対して深い知識を持たないキャラクターとして設定することで、
作中で自然に説明が為されるようになっており、とっつきにくさが解消されています。
このため、読者側も設定をすんなり飲み込みやすいです。

先に述べた通りこちらは加筆訂正分であり、小説家になろうでも無料で読めるのですが
加筆や書き下ろしがあるため値段分の価値はあるかと思われます。
なろうに連載されている分を読んでみて合いそうだったら購入する、というのがベターかと。

あとこれはイラストに対しての疑問なのですが、ゾバイダのオリーブ色の肌ってこういう色なんでしょうか……？
オリーブ色の肌って、地中海付近の日焼けした白人の肌を指す色のはずなのですが……›

7 人中、5人の方が、｢このレビューが参考になった｣と投票しています。
こういうのが読みたかったんだよ！
 投稿者 Amazon Customer  投稿日 2015/2/17
 最近やたら多い、小説家になろう作品の書籍版です。
しかし、内容はなろう作品に多い異世界転生チートではありません。

紀元前のギリシャ圏と紀元後のイスラム帝国を合わせたような世界観の話しで、美しい容姿と強大な魔力、不老長寿を持つジンというエルフ的な種族が支配階級で人間は劣等種族扱いされる状況。
ジンの大貴族の所に事実上の人質として送られた人間の王子様が主人公。
チート能力なんて無いし、達人級の剣術なんてのもない、現代知識ももちろんない、年相応の少年の話し。
故に、チート活躍一切無し。

だが、それが良い。

ひたすら量産される異世界転生チートや学園異能バトルハーレムに食傷していた自分にとっては実に心洗われる内容でした。

年相応に頑張る王子様や、ツンツンからデレデレになったジンのお姫様、古代ギリシャと中世イスラムを足したようなちょっと珍しい世界観等も良し。

チート主人公の活躍が好きな人にはおすすめ出来ませんが、逆にそういう内容に口飽きした人には良しでしょう。

第２巻も楽しみです。

http://www.amazon.co.jp/ジンニスタン-砂漠と海の物語-アース・スターノベル-二宮-酒匂/dp/4803006857