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もふもふ、きつねっこぉ

24話のタヌキ娘「これで全ての問題は解決した!家に帰ろう!」



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伝えたいこと「電子マネーすげぇ」


 

ニャンタンは電子マネーという言葉から、色々と連想してみることにした。電子という単語はさっぱり分からないが、コンビニに電子レンジという奴があった。あれはチーンという音とともに弁当を温める道具なのだろう。
つまり電子マネーはお金を温める装置的な何かなのだろうか?ますます訳が分からなくなった。ニャンタンはタヌウの茶色の瞳を見つめる。可愛らしいタヌキ娘だ。縞々な尻尾がチャーミング。お嫁さんにして、毎日尻尾をモフモフなでなでしたくなるような獣娘だなぁとニャンタンが眺めていると――タヌウが顔を恥ずかしそうに真っ赤にして、説明をしてくれた。

「で、電子マネーというのはだな……要するに……架空のお金の事だ。現実には存在しない。だが、銀貨や金貨と似たような価値を持つ」

「現実に存在しないのに価値がある……どういう事ですか……?それって詐欺の類じゃ……?」

「この国の紙幣を思い出してくれニャンタン……そこにヒントがある」

「……?」

ニャンタンはタヌウに言われたから思い出してみる事にした。大抵、貨幣には国の偉人とか、英雄とか、王族とかが刻印されているのが普通である。貨幣を通じて、自国の知名度を向上させられて便利なのだ。
享楽国の銅貨、青銅貨、銀貨、金貨には……全て可愛らしいキツネ娘の顔が刻印されているが、日本国の場合は貨幣には偉人の類は刻印されていない。
1円玉は植物、5円玉は稲、十円玉は何かの寺である。だが、紙幣にはちゃんと誰かの顔が印刷してある。
偽造できないように、様々な技術が凝らされ、真ん中の透かしから絵が浮かび上がる謎構造だ。
紙切れの癖に、なぜか恐ろしい価値がある。

「えと紙幣って……価値が高い紙切れですよね?」

ニャンタンがそう言うと、タヌウが頷く説明を再開した。

「そうだ、紙切れの癖に、恐ろしい価値がある。これは人民が日本という国を信用している証だ。その信用が紙切れに過ぎない代物に価値を与えている……。
普通なら、300年前に滅び去った元国のように、経済に大混乱を齎し、物価を高騰させる存在なのに、この国では紙切れが金(かね)として扱われているのだよ」

「……そういえば、紙切れなのに価値があるって凄い事ですよね……紙切れだと偽造紙幣を量産しやすいから、大変ですよ……紙幣の量産性を考えたら、手間暇がかかる偽造対策を取れませんし……」

「その点は大丈夫だ。この国の紙幣は……恐ろしいくらい偽造し辛いように工夫されている上に量産もできている。真ん中に半透明な絵が出現するカラクリがあり、偽造しようとしたら……贋金職人に払う人件費で赤字になるはずだ。見たところ、紫外線を当てるだけで光る文字まで刻印されていて、徹底的な偽造対策を施されている。
この偽造対策は……キーニャン様の信仰スキルに依存した享楽国にも当てはまる……カード化された金貨という存在に、人民は慣れきってしまっているのだ」

「でも、カード化を解除したら、本物の金貨が出てきますし……その分の価値は保証されてますよ?」

「キーニャン様が大量に作った採掘用のダンジョンのおかげで……享楽国の黄金の相場は恐ろしい程に下がっている。せいぜい銀貨の3倍程度の価値しかないのに、銀貨の10倍以上の額が金貨の数字欄に掘られているんだ」

「確かに……モフモフ城に黄金の部屋を作った時、意外と安く済んだなぁーって、思いました……。なるほど、黄金の相場が下がりまくっていたんですか」

「キーニャン様が信用されているから、金貨・カードに使われている黄金の――約3倍ほどの値段が金貨に付けられている訳だ。せいぜい3万アソブ程度の価値しかない金貨なのに、10万アソブの価値がある……この7万アソブの差はキーニャン様の信用、そしてニャンタン。君が分身しまくって行政を上手く回しているが故に、商人達が信用してくれている証だ。
つまり、キーニャン様とニャンタンの信用があれば……私達の国は電子マネーを導入できる気がする……容易いとはいかないだろうがね。
カード一枚で、数字上でしか存在しない金銭が動く時代が到来すれば、経済は今以上に活発化する事だろう。
大金を持っていても、現実には存在しないから盗まれる心配もない。泥棒対策にもなる。
カード一枚……新しく導入するカードに名前がないと不便だから……マネーカードという名前をつけようか」

「マネーカード……」

「そのまんまな名称アルな」

リーファが野暮な事を言った。タヌウは調子を崩さずに言葉を続けている。

「私の理想としては、現金は銀行の内部だけで動き、人民はマネーカード一つあれば、それで生活できるような環境を作りたい。そこから手数料を自動で取れるようにすれば、国の財政を豊かにできるはずだ。
しかも、人民に搾取されているという自覚なしに、膨大な税収を得られるような、そんな麻薬のような徴税システムが出来上がる事だろう……」

「ぼ、僕たちは助かるんですね!首が空を飛んで旅行する心配とかしなくて良いんですおよね!」

「ああ、そうだ。膨大な人民が金を動かす度に、手数料を取るシステムを作れば、私たちは享楽国一の金持ちになるという事だな。もちろん、国家の財産を私物化するのはいけない事だが……給料のアップくらいは望んでもいいだろう?」

「も、もふぅ……」

さすがタヌウ。頼れるタヌキ娘だなと、ニャンタンは思った。
人民達が気づかない内に、国が自動で税を搾り取る。そんなシステムがあれば不満を持つ輩は激減するはずだ。政治家の仕事は、民衆の不満が少ない方法で税を取る事であり、自動で徴税し、目に見えない金を次々と国庫に入れるなんて……ニャンタンには薄らとしか想像できなかったが、不満を感じる奴は少なそうだ。
税金のシステムを学ぶ奴なんて、基本的に税理士とか、役人の類だろう。何かを購入する度に、税を取るシステムとかも議会で解決したら最高かもしれない。少しづつ搾取すれば、ほとんどの人民が税を取られているという意識すら持たないに違いない。
ニャンタンはタヌウに感謝するしかなかった。素晴らしきタヌキ娘万歳。

「ふふふふ、あとは享楽国に帰って、どんなシステムにするのか、経済室と信仰スキル室の皆と話し合って、新しいシステムを作ればいいだけだ……。それにだ。ここに長居をすると……それだけ私たちの存在はばれてしまうだろう?私の信仰スキルで尻尾を隠せるが、信仰エネルギーの浪費は避けた方がいいからな」

「はい!帰りましょう!愛しい我が家へ!タヌウのおかげで僕の人生が光り輝きそうです!」

「眠くなってきたのう?」キーニャンは眠そうに欠伸(あくび)をした。

「あらあら……キーニャン様の尻尾はとてももふもふしてますわー」妹はやはり変態だ。

ニャンタン達は明るい未来が待ってそうだと思って、気楽に会話しながら歩いた。
しかし、来た道を戻ったら――リーファの家は警官隊に包囲されている。まるで自分たちの帰路を妨害するために、運命の神様が試練を組んでいるような嫌なタイミングだった。



(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) どういう事だぁー!?これはぁー!?

  ∧_∧
(´・ω・`)公園の敷地内に、無許可で家を建てると……
. (っ¶⊂  撤去されます!

(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)まじで!?

 

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  1. 9 件のコメント :

    1. (ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)ゆっくり修正完了!

      (´・ω・`)挿絵を今日から書くぞい
      1話書く手間暇で、下手な絵だけど30枚くらい書けるぞい

      (ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)小説より生産コストがいい!?

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      1. その時間で小説の質上げましょうよ……

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      2. (´;ω;`)モチベーションをあげるために、絵を描きたいお

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    2. プロットだけパルメさんが書いて、匿名にストーリーを書いてもらって、絵はパルメさんが書けばいいのでは?


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      1. (´;ω;`)まず、絵の練習をしなきゃ……(ほとんど絵の練習した事がない)

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      2. それじゃ、ベルセルク 古代黄金時代編 というタイトルで、
        ガイゼリック(髑髏の騎士)、ボイド(ゴッドハンド)、
        フローラ(魔女)、ゾッド(使徒)が人間だった時代を描く、
        二次創作をちょっと書いてくれ。文庫本10冊分くらいの分量でw

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      3. (´;ω;`)まず、模写から始めないといけないレベルだお。
        風呂でゆっくり、考えながら書いてみるお

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      4. ついでに、ベルセルクの伏線全部回収なw

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      5. (´;ω;`)何千年分の歴史をやらせる気だ……っ!
        ガイゼリック(髑髏の騎士)だけで、パルメの人生が終わる気がする……!

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