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イブキとマッハの結婚式前日、とうとうこの日がやってきた。
明日になれば、二人が布団の中でギシギシアンアンな夫婦関係になってしまう。
そんな光景がやってこないよう阻止するために無茶な第三階層での辛い日々が必要だった。
性欲が大暴走しながらオークを殴り殺し、全力全開状態を制御して、戦闘と日常での力の使い方を分ける事で、歩くだけで身体がどんどん痛くなって壊れるという危機はなくなった。
ムラサメちゃんと情事やっても、3時間くらい連続で続けて、気絶させてしまうくらいの力の調整ができるくらいに完璧である。
俺は布団から立ちあがり、裸を晒してグーグー眠っている可愛いムラサメちゃんに布団をかけ、粗末な布の服を着る。

ジューシポークを食の神様から出して貰い、それを生で食べながら、舌に感じる甘い味とともにイブキに料理しても欲しいと思った。
ム ラ サ メ ち ゃ ん は 料 理 が で き な い 困 っ た 嫁 な だ け に イ ブ キ が 欲 し い 
ムラサメちゃんが起きたら、この戦いに反対されるかもしれないので、俺は一人で家を出ようとすると、頭に刀の鞘がとんできて少し痛い。
振り返ると、裸のムラサメちゃんが起きて、こちらを見て

「・・・・・拙者が家事ができない嫁で悪かったですね。ええ、家事ができない不祥の嫁ですいません。」

普通に俺が言葉でしゃべっていたようだ。おっぱい。
沈黙していると、ムラサメちゃんが身体ごと抱きついてる。豊かな胸の柔らかい感触を感じ、身長差があるので、俺の腹の部分に小さな顔を埋めていた。

「・・・・・主殿、拙者も美味しい料理を食べたいので、勝負に勝ってくだされ。
そ、その・・・・・ハーレムには反対ですが、イブキ殿だけなら認めてあげてもいいと拙者は思っています。
・・・・・・毎晩、私を抱きながら、イブキ殿の事を呟かれるのは、もうごめんです。
主殿は拙者の身体だけでは、心の底から満足できない駄目人間なのですね・・・・・。」

その言葉に俺は強くムラサメちゃんをこちらから抱き締めた。

「ああ、俺は勝つっ!
勝利して、ムラサメちゃんとイブキと一緒に仲良く新婚初夜だっ!」

俺の言葉にムラサメちゃんが素敵な笑顔で、ガブリっと俺の腕を噛んだ。ちょっとだけ痛い。
これも複雑な乙女心という奴なんだろうか、今の俺の全力全開なら嫁の3、4人を愛して気絶させる事ぐらいなら容易いので、全く問題はないが、相変わらずハーレムへの道のりは遠いように感じた。

「主殿は、乙女心を理解できない脳味噌筋肉だと思います。」












第6話  巫女さんを取り返せっ!











今、俺は、ウズノメ神社の大きな門の前にいる。
明日はイブキとマッハの結婚式なせいか、門の周りは花だらけだ。
俺がマッハに勝利しないと、イブキと奴の結婚式が本当に実現してしまう。
絶対に負けられない戦いだ。


・・・・・正直に言おう。
今の俺でも、マッハ相手では勝利するのは難しい。
だが、人間は考える生き物だ。
負けないためのスーパーな作戦を事前に考えて、既に実行してあるんだ。
勝率を少しでも引き上げるために、適切なタイミングでの秘策っ・・・!
下手したら、闘わずに勝利できるかもしれない悪魔の策だっ・・・!
俺は、その策の効果を確かめようと、門に耳を当てて、中の様子を窺うとアズサさんの罵声が聞こえてくる。

「このゴミいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!
40人も既にお嫁さんいるとか、ふざげるなあああああああああああああっ!!!
イブキと結婚する前に浮気するとか、何を考えているのおおおおっ!!!!
こんなゴミには躾が必要だよ!躾!」

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!だずげでええええええええええええっ!!!!」

「全身、血だらけ泣き叫んでも遅いよおおおおおっ!!!!
うちの可愛いイブキを娶るつもりなら、40人の嫁を振ってこいいいいいいいいっ!!!
このパンチのラッシュは、アズサの心の涙なんだよおおおおっ!!!!
さっさと死ねえええええええええええええええええええええっ!!!」

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!
イ ブ キ だ ず げ で っ!!!」

「あー、あかんなー。
うちはハーレムとか大嫌いなんよー。
ハーレムを諦めたら結婚してもええでー。」

「ぞんなあああああああああああああっ!!!
これ以上殴られたらじぬううううううっ!!!!だずげでええええええええっ!!!!」

「イブキに謝る暇があったら、ハーレムを諦めるべきでしょおおおおっ!!!!!!!!!!
この女の敵いいいいいっ!!!!人間のゴミいいいいいいいいいっ!!!!
100回ぐらい殺して、借金100億ぐらい請求してあげるよおおおおおおおおっ!!!!」

見事に俺の策は効力を発揮している。
昨日、失敗しないように、アズサさんにマッハのハーレムの事を匿名の手紙という形で100通ほど放り込んだ結果が、この結末である。
マッハが神々の食材を食べればおしまいだが、奴が食の神に食材を預けられる契約がある事を知らない脳味噌筋肉な事も調べ済みだ。
奴がアズサさんによって、ボロボロに折檻された後に、俺が決闘を挑んで勝利すれば、イブキの巨乳は俺の物になる事は間違いなしっ・・・!完璧な策略っ・・・!
俺の頭脳が恐ろしいぜっ・・・!
後はタイミングをみてから、マッハと会い、一方的に決闘を申し込んでフルボッコにして、イブキと布団の中でイチャイチャするだけである。









3時間くらい奴の悲鳴を聞いた。何故かマッハが可哀そうに思えてくるが、ライバルに同情してはいけない。
ウズノメ神社の門を通り、地面でボロボロのゴミになっているマッハ本人に聞こえるかはともかく、俺は大声で

「イブキを取り返しにきたぞっー!俺と勝負しろぉっー!マッハっー!!!!!!!
受けないなら、イブキは俺の物だぁっー!俺の嫁っー!おっぱいー!」

俺の声で、イブキもアズサさんも家から出てきてやってくる。
イブキは相変わらず巫女服を着て可愛らしい。おっぱい。
そして、ボロボロになっているマッハがゆっくりと奇跡的にヨタヨタと立ちあがった。

「殺じでやるっ・・・!
俺のハーレムをばらじだゴミはごろずっ・・・!」

見えない殺意の波動を、自業自得の馬鹿から感じた。
全身、血だらけの満身創痍なせいで迫力がある。
だが、今の奴なら容易く勝てそうだと思った。
俺は、視線をイブキの方へと逸らし

「イブキぃっー!こいつを倒したら俺と結婚してくれぇっー!
ハーレムは4人までに限定するから、俺の嫁になってくれぇっー!」

「・・・・・・最低やわ。死にそうな怪我人相手に決闘なんて、あーちゃん最低やでっ!
あーちゃんは駄目無職で、ハーレム願望がある人間のクズやと思ったけど、鬼畜外道になって余計にあかんわっ!」

心が痛い。
でも、俺は正直に今の気持ちを話そうと思った。
人間正直な気持ちが一番なんだ。うん。

「どんな方法を使ってもイブキを嫁にしたいだけなんだぁっー!
俺はお前の事が好きだぁっー!だから、どんな方法を使っても、お前を嫁にしたいっー!おっぱいっー!」

「・・・・・うちのどんな所が好きなんや?」

「料理が上手いところが好きだぁっー!ムラサメちゃんは料理が俺と同じくらいに下手すぎて絶望したぁっー!
だから、俺のご飯を作ってくれぇっー!布団の中でイチャイチャしたいっー!」

まさに完璧な回答だ。
ここまで簡潔明瞭な返答ができる俺は、きっとイケメンに違いない。
しかし、イブキは腕をぷるぷると震わせて

「うちは、そんな都合の良い女やないっ!
ハーレムなんて作る馬鹿はどっちも死んでしまえっー!」

涙を流しながら家へと走って帰ってしまった。
アズサさんも、俺をゴミのような目で見下した後に、家に帰っている。
あれ・・・?俺のイブキを取り戻す完璧な計画が破綻した・・・?
そ、そんな馬鹿な事があっていいはずがないっ!

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!
イブキに嫌われだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」

何故だ。何故なんだ。マッハをボコボコにすれば、イブキが嫁になるんじゃないのか?
そんな風に焦りながら絶望していると、マッハの馬鹿がボロボロな身体で、こちらに向かって走りながら叫んでくる。

「じねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!
無職の分際で俺様のハーレムをばらしたクズは死ねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!
お前のぜいで、イブキに嫌われたんだぞおぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」

俺はその叫びに怒りを感じた。
この馬鹿さえいなければ、今頃、イブキと復縁して布団の中で、ムラサメちゃんと一緒にハーレムが出来た事は確実なのに、この馬鹿のせいで状況がややこしくなっている。
きっと、そうに違いない。
俺はマッハ相手にぶち切れて、絶望と悲しみを怒りへと変え、地面を蹴って空高く飛んだ。

「死ぬのはお前だぁっー!お前さえ居なければ、イブキは俺が幸せにできたはずなんだぁっー!」

馬鹿と俺との最終決戦が始まった!




あとがき

(´・ω・`)なんて見苦しい戦いだ。勝利しても女の愛は得られない。おっぱい。

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