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俺は都市に帰るまでの長い時間を使って、ラッキーちゃんから風の精霊魔法の秘訣とやらを学ぼうと思った。
きっと、素晴らしい方法とか教えてくれるに違いない。
風の最上位な精霊・・・長いから風生首でいいな。
女の子の頭だけとか、とても残念な身体をしていると思う。
兎にも角にも、ラッキーちゃんを攻略するためにも声をかけてみよう。
「お願いがあるっ!」
「ん?」
俺の大声にラッキーちゃんが振り向いてくれた。
やはり妖精のような神秘的な美しさがある美少女だ。絶対に嫁にしたいっ!
「俺に風の精霊魔法を教えてくれっ!」
「・・・・・?」
あれ?重たい沈黙が場に流れてる?
ラッキーちゃんが意味がわからないという感じに顔を傾げて黙っていた。
この状況で次に言葉を上げたのは、憎たらしいデブ顔をしている風生首っ!
≪よく考えたら、なんで人間に精霊が見えているのおぉぉぉっ?!?!?!?
エルフにしか見えないのに、ありえないでしょおぉぉぉぉっっ!!!!!!!≫
うぜぇ。
ラッキーちゃんの声を聞きたいのに、この風生首ばっかりが喋りまくってやがる。
第9話 風の精霊魔法にようこそ!
≪風の精霊のおちびちゃんがいた時点で気づくべきだった事に反省したよ!
精霊が見える人間さんは珍しいね!≫
風生首が、ラクシズと会話して勝手に納得していた。
形は違えど、一応は同族という事なのだろう。
ラッキーちゃんの方は、俺の顔をじっくりと見ていて興味があるようだ。
何か観察に近い視線だ。
俺は、そんなラッキーちゃんと仲良くなるためにも頭を下げて
「今よりも風の精霊魔法を上手く使いたいから教えてくれ。お願いだ。」
風の精霊魔法を学んでいる間に惚れさせてみたい。そんな下心が俺にはある。
だが答えてくれたのは風生首の方だった。
≪了解したよ!お姉さんが親切に教えてあげるよ!
ラッキーはコミュ障・・・げふんげふん、奥手な子だからね!≫
い、いらねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!
ラッキーちゃんに教わりたいのに、なんで生首の方が先生になってんだぁっー!
≪風の精霊魔法は使って使いまくれば、どんどん上達するよ!
もう、生活全ての面倒を見られるほどに高性能になって・・・・ラッキーが生活無能力者さんになっちゃうほどにっ・・・!
便利だよっ・・・!ごめんねっ・・・!過保護でごめんねっ・・・!≫
風生首が何かを後悔しているようだ。
アドバイスは凄く適当すぎて困るが、よく考えたら栄養失調を恐れて魔法を節約してたな。
たくさんたくさん無駄遣いしている内に上達するんだろう。
≪使う内にどんどん無駄がなくなって・・・ラッキーがニートさんになっちゃったよっ・・・!
こんな箱庭娘に育てるレベルで過保護でごめんねっ・・・!≫
相変わらず、うざい風生首だ。
ラッキーちゃんの方は、笑顔でクスクスと笑って、風生首を見ていて可愛らしい。
どこが笑えるポイントなのか理解できないが、笑える話だったんだろう。
兎にも角にも、冒険者ギルドに戻ったら、風の精霊魔法を膨大に無駄遣いしておこうと思った。
最近、仕事に殺されそうだしな。うん。
クーニャちゃんを嫁にする難易度が高すぎて、結婚までに死体になってそうだ。
【あんな糞女は諦めればいいじゃないっ!】
俺の頭の上にいるラクシズが叫んでくる。
しかし、俺はクーニャちゃんへの恋心を諦める事が出来ないんだ。
初恋を初恋のままで終わらせたくない。
俺の叔父さんも『グヘヘヘヘヘヘっ!夢や希望を持ってる奴は、たくさん働いてくれるから最高だぜ!』って言ってた。
【・・・・アンタの叔父さんが言おうとしている意味と、あんたが思っている内容は違うと思うわ。
アンタの叔父さんは、ただの人間のゴミよっ!ゴミぃっー!】
そんな馬鹿な事があるか。
叔父さんは、10人の嫁を養う甲斐性持ちで男の夢を実現した男の中の男だぞ。
そんな叔父さんが人間のゴミな訳がない。
【ひ、被害者が10人もいるなんてっ・・・さ、最低ぇっー!】
あ、ラッキーちゃんと会話したいのに、忘れてた。
風生首のせいで、切欠が減ってしまったぜ。ちくしょう。
さっきから頭に乗っているラクシズが話しかけてくるし、しばらくは会話する機会に恵まれそうにないな。
ラクシズの純白のパンティーでも想像しながら、冒険者ギルドへと帰るとするか。早く、クーニャちゃんをクンカクンカしたい。
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