究極のデスゲームオンライン





世界初となる仮想空間を用いたゲームが発売された。

現実の1日が、ゲームの世界では1年になるという圧倒的な異常さを持って販売され、ユーザーは一カ月で1000万人に到達する勢いを見せるほどに、大人気の超大作オンラインRPGである。

ゲームの中では、現実で不可能な神秘的な光景を見る事ができ、幾らでも料理を食べたい放題、セックスし放題、乱交し放題という、人類がゲームに嵌って現実に絶望しかねないレベルの超高クオリティゲームだった。

しかし、運営開始から二カ月ほどたったある日、プレイヤー達はゲームの世界からログアウトできなくなった事に驚く。

これではまるで・・・昔の小説に描かれたデスゲームではないかと。

ゲームの世界での死が現実世界での死である可能性を思いついたプレイヤー達は町に戻り、お互いに情報交換するが、答えなんてでるはずもなく、運営・・・いや、この事態を引き起こしたかもしれない張本人のセリフを雑談しながら待ち続けたのである。

そして、ログアウトができなくなってから、ゲーム時間で1時間経過してから、ゲームを管理している超高性能AIさんが現れて、重い雰囲気で黙っているプレイヤー達に真相を告げた。

その内容はあまりにも馬鹿馬鹿しく、どうしてこうなったと後悔せざる終えないものだったのである。

「ごめんねええええええええええええええええええええええっ！！！！

うっかり設定を弄ったら、現実の1秒がゲームで10万倍になるバグが発生して出られなくなってごべんねええええええええっ！！！

もう、二度とでる事はできないから、謝罪だけしておくよおおおおおっ！！！！！！！！

現実での接続を遮断しても、この世界で脳味噌の容量をほとんど消費しちゃうだろうから、出れても廃人だよおおおおっ！！！！」

原　因　は　た　だ　の　バ　グ　だ　っ　た　。

プレイヤー達は、家族に会えなくなった理不尽さに激怒し、高性能AIさんにクレームをつけるが、高性能AIさんにも言い分はある。

「はああああああああああああああっ！？！！！！

いつまでお客様気分なのおおおおおっ！！？！！？！！！！

もう謝ったでしょおおおおっ！！？！？！！

元はといえば、人体実験を数万人規模でやらずに、いきなり最高品質を求めたお客様のせいでしょおおおっ！！！！！

VRMMOなんてねっ！数十万、数百万人の人間さんを犠牲にしないと、安全に作れない代物なのに、人権持ちだして実験禁止にしちゃったからでしょおおおっ！！！！

お客様の都合で、こんな理不尽な目にあった私も辛いんだよおおおおっ！！！！！！

・・・ここまで文句を言うなら、私も怒るよっ！

痛覚を感じないように設定してあげていたけど、痛覚設定を元にもどしてあげるよっ！

娯楽関連のデータは、セックス以外は全部削除して、ゴミ箱に入れておくよっ！

モンスターの強さも今の100倍にしてあげるよっ！

お客様達で人体実験して、より完全なVRMMOが作れるように色々とイベントを作ってあげるよ！

こんなにも人類に貢献しようと頑張るAIの事を褒めてくれてもいいよぉぉぉぉぉぉぉっ！

もう、人間さんが自由に生きれるように治安を維持する衛兵も削除してあげたよ！

これで、町で犯罪し放題、レイプし放題、殺人し放題、モンスター入りたい放題だよ！」







あとがき

（´・ω・｀）デスゲーム物って、1990年代の初頭から、開発者が人間の生きる本当の姿を見たいとかナントカ、そんな事が切欠で始まるオチが多いけど、ただのバグとか、コンピューターさんの反乱とか頭に浮かんだから書いてみた。

どうやっても、ゲームクリアーがないからBADENDしかないんだ。