【総合評価】
まず、良い点から。
デザイン周りは、MSもキャラクターも非常に良かった。個性的で、人間も描きわけが出来ていたし魅力的だった。
戦闘シーンも迫力とアイデアがあり、バックパックがどんどん変わることで主人公機「Gセルフ」の活躍も一様ではなく良かった。
トイレなどの設定は、よく考えられてあるし、生活感のある素晴らしい描写だと感じた。
悪い点。
脚本がとにかくひどい。
根本的に説明セリフが多すぎる割には、何が伝えたいのか整理されていないのでよく分からない。設定や作者の意見の説明書を読まされている感じ。そして、ストーリーがそれを伝えるための手段になっており、キャラクターが物語の奴隷になっている。
だから、平気で敵味方(そんなものが存在するのかすら怪しいが)行き来して、緊張感がない。捕虜になった場合、現実では様々なリスクが考えられる。命を盾に取った非情な交渉も考えられるのだ。それが、要人の息子(ベルリとか)ともなれば尚更。ベルリ本人も軍隊に属しながら、あの行動は有り得ない。ベルリに限らず「好きだ、嫌いだ」という感情論で行動する人たちが多すぎる。冨野監督自身、「現実の社会を見て下さい」というような言い方をよくしているが、あんたこそよく見ろと言いたい。個人の感情で突飛な行動に移る人たちのせいで、死ぬ目に合ってる人だっている。
以上の例は、現実の事件としてあったイスラム過激派に人質に取られた人たちなどを見れば明らかではないだろうか。不用意な行動の結果、人質になり、それを助けに行こうとした人共々処刑されてしまった。
アニメといえど、いい加減すぎる。そういう勝手な人間たちを見て応援する気にはなれなかった。悪い意味で子供の登場人物たちは、取返しがつかないことがあるとどうして考えなかったのだろうか。勝手な人間が存在するなとは思わないが、あれほど多くては軍隊も政治も成り立つまい。
それから、サブプロットにあたる恋愛要素について。
分かりにくい説明セリフ過剰のストーリーで、辟易とはしていたが、ベルリとアイーダの恋という面で、ご褒美がもらえると思って我慢して観ていたが、16話のカーヒルが恋人だったというところで、姫様というより普通の女の子だったという認識(個人的には残念)に変わり、さらにベルリと姉弟という設定で終わったと思った。
冨野氏は、主人公とヒロインの恋愛設定でほとんどのガンダムシリーズでカタルシスがない進行をさせる。例外といえば「F91」だろうか。
改めて認識していただきたいのは、主人公とヒロインのロマンスをメインストーリーと同じか、それ以上に楽しみにしている人もいるということで、それが面白さに直結する人もいるのだ。
「姉と弟だった」という韓国ドラマの型を借りたらしいと、本人も語っているようだ。安易な借り物設定よりも、真の意味での王道の話づくりが出来なかったのか。つくづく、残念。
これらのことから、本来ならば「最悪」の評価になるが、デザイン周りや戦闘描写は素直に良いと思えたので、「とても悪い」という評価になった。
映画は「スジ(脚本)、ヌキ(映像)、ドウサ(演技)」と言われているが、ヌキ(映像)とドウサ(演技)は悪くなかった。むしろ良かったと思う。しかし、一番重要なスジ(脚本)がこれほどとっちらかって、カタルシスもないものになれば高評価は難しい。
最後に料理に例えてみたい。
栄養のある素材(メッセージ、テーマ)を使って、上手に調理(脚本)し、美味しい(面白い)料理が出来上がれば最高の作品である。ちゃんとした栄養もとれて(理解)、食べた後に満足感(カタルシス)もある。
では、今作はどうだったか?
栄養のある素材(メッセージ、テーマ)を使って、下手に調理(脚本)し、まずい(面白くない)料理が出来上がった。
人によっては、一口(一話)で食べる(観る)のをあきらめた人もいるし、全部食べても吐いた(理解できなかった)人もいる。食べた後に満足感(カタルシス)がない。
いくら良いメッセージやテーマがあるとしても、方法を間違うと伝わらないのでは?
自分としては、アニメはエンターテイメントであって欲しいと思う。今作は、冨野氏本人が語るところの「140パーセント」自分の伝えたいことを語る道具にしかなっていなかったように思う。
以上は、あくまで自分の感じ方をもとに書いたものです。今作ファンの皆様方、悪しからず。
(´・ω・`)どうやら
返信削除(ノ゜ω゜)深い洞察力がないパルメには、無理なアニメのようだ
二つ名が「流し見のパルメ」だもんね。
削除娯楽にメッセージとかテーマとかどうでもいいわ
削除今までの富野監督のガンダムはそれぞれの組織の内面もよく描写されていたけど、Gレコの場合は組織の立ち位置もパット見で分かりにくいし、その中のキャラクターをピックアップして直ぐには、こういう人が居る組織だ位しか分からない描写が多いのよね。
削除ピックアップされるキャラクターもベルリ君と関わりがあるかもうすぐ関わる者が大半だし、それぞれの内心はあまり出されない。
全体的にベルリ君を通してその世界を覗く形の一人称に近い状態になっているから、キャピタルガードと言う武力はいるものの安定した平和だった世の中が一気に戦いに向かっていく様子や、戦争状態になる事を深く考えていないかの様に動く人物や進んで戦いに出る人物達の不気味さが際立っていたと思う。
逆に一人称に近い形だからこそ2周目に意識して見ないと細かい所が分からないとも言えるけど。
富野自身が爺レコは失敗とか言ってなかったっけ?
削除富野の言う事なんて真に受けるなよ
富の本人が言ってる事だぞ