第五十四話 彼女は--ザクでも使えるビームサーベルを連邦軍から奪った主人公達は、ギレンの親衛隊に目をつけられていた。
連邦製ザクを巡って、お互いに銃を向けて殺し合う寸前の事態になり、戦場でお互いに足をひっぱいあう駆け引きやっている。 --
「一番欲しいのは、“アレ”なんだろうな」
何を示しているのかは、わかる。基地の中でも一段セキュリティレベルが高いところで保管、研究が行われている、戦隊がたまたま入手した戦利品。
ザクでも使えるビームサーベル。
その存在がもたらす衝撃は、どれだけこの武装の持つ重要性に気づけるかに比例するだろう。強力な火力。優秀な携行性。なにより、ビームを収束し一定の形で維持できるという技術力。その本質は、いよいよジオンのアドバンテージが消えつつあるのではないか、という疑念だ。戦争そのものの優位性に罅を入れかねない問題。
情報は、嫌が応にも広がっている。広がって、呼び出されたのだろうから。
「……どうするのですか」
「まだアレのことまでは嗅ぎつけていない可能性も高いが、欲を出すのは良くないな。独り占めはできないだろうさ。だがタダで何もかもくれてやるつもりはない。我々はソロモンのドズル閣下の麾下にいる人間だ。精々“綱引き”に使わせて貰おう」
(´・ω・`)ジオン十字勲章ものの功績の奪い合い(どーん
ギレンの親衛隊(´・ω・`)それ寄越せー供出しろー
主人公(´・ω・`)ふざけんな。功績横取りすんな
ギレンの親衛隊(´・ω・`)逆らう気かー。
第五十五話ー鹵獲したビームサーベルは、結果的にそれぞれの勢力に恩を売るためにプレゼントする事にした。
ジオン軍の戦況に影響するし、時間が経過すると価値がなくなるから、高値で売れる時に渡す事にしたのである。
ただし、キシリアと軍事メーカーのどちらに渡すかは、ドズルの相談次第。 ーー
(とりあえず、一本はしばらく手元に残すべきか……いや)
先に述べたように、切り札として切れる内にの切っておかねば、無価値になってしまう。ならその前に、価値のある内に高く売り払ってしまおうという選択肢。無論対価は必ずしも金ではない。物資でも良いし、情報でも良い。
候補で言えば、例えば月の突撃機動軍。キシリアはギレンと何処かしらそりが合わない所があるから、戦力や技術の獲得に貪欲だ。オデッサに腹心であるマ・クベが居るために間をおかず早い内に交渉と物資の交換ができるのも利点だ。
他に、となるとサイド3のジオニックなどの重工業各社も候補になる。何せ、敵性技術の塊である。他所を出し抜くためにも、特にツィマッドあたりは喉から手が出るほどに欲しいだろう。
(……ドズル閣下と相談してからだな)
(´・ω・`)よしわかった。
主人公のせいで完全にアプサラスがチートになって、ジャブロー攻略作戦だ。
第五十六話 「×2」-ギニアス・サハリンの夢は、公王デギン・ソド・ザビの名を以て承認が行われて叶った。
アプラサスVが主人公のおかげで早めに完成寸前の上に2機も作られ、これでジャブローや連邦軍の物量なんて逆転できる。 --
――アプサラスV。
その脅威は、冬彦だけが知っている。搭載されている兵装の数は、僅かに一つ。たった一門のメガ粒子砲。けれど、それだけで必要とされる全てを満たしている。
収束すれば山を貫き、拡散すればMSを焼き払う。
「アプサラスさえ……このアプサラスさえ完成すれば、連邦なぞ焼き払ってくれる」
向かい合う“二機”のMAは、未だ静かに、時を待つ。
(´・ω・`)ジオン軍の勝利の日は近いな。
第五十七話 秒読み?-ジオンが内部分裂して抗争になると見た主人公は、最強戦力のアプラサスVが2機あるからこれを有効活用する気だった
。
無理をして部隊ごと宇宙のジオン本国へと戻る気である。-
原因は決まっている。冬彦が打ち出した方針である。
冬彦は、ギニアスとの密談を受けた。
理由は幾つか在るのだが、ここが所謂“賭け時”だと判断し、勝負に出たのだ。
戦術級、運用計画においては戦略級にも手を届かせたアプサラスV。それが二機あり、現実的に運用可能な段階が目前であるという。この機を有効活用するべきだという判断を下したのだ。
だが、アヤメが怒るのは、それが原因ではない。問題にしているのは、ギニアスが必要とし、後々の有事の際の協力の代価として提示した物品の受け取り。
これに、冬彦は“戦隊”を宇宙に上げると、アヤメに言ったのだ。ザンジバル一隻に戦闘部隊を乗せるだとかそういう話ではなく、MS隊、開発局分室なども含んだ全てをだ。
最初、規模としては隊を半分に分け、ザンジバルの片方を宇宙に上げるのだろうと考えていたアヤメにすれば、この話は明らかに過剰に思えた。
オマケに、アヤメには艦隊の運航計画の仕事もある。ザンジバル級はカタパルトと追加ブースターが無くては宇宙へ上がれない。
そのためには近場であるラサ基地に移動する必要があるのだが、ラサ基地は秘匿基地であり、移動には気を遣う必要があるし、更に言うと戦隊が留守をすることになると、有力部隊の一つが消えることになる。もし移動がバレルと、散々叩きはしたとはいえ連邦に隙を見せることになる。勿論その隙を塞ぐためにノリスが代わりの部隊を動かす予定だが、隙は隙である。その隙を潰すために、基地から出るのにも一苦労なのだ。
だが、冬彦も譲れなかったのだ。何せ、一時的とはいえ地上からの戦隊全ての引き上げは、ジェネレータの件で話を通すために通信したドズルからの命令でもあるのだから。
(´・ω・`)なんて事だ。ジオン分裂したらもう無理ゲーじゃないですかー
第五十八話 秒読み! -ジオン分裂まで秒読み。-
ところ変わって、ソロモン。数多ある艦船用のドックの一つ。
このドックでは、丁度係留されている艦に荷の積み込み作業が行われていた。糧食、推進剤、弾薬。およそ戦争で必要とされる殆ど全てがコンテナに収められ、艦の腹の内に詰め込まれていく。誰かがどこかしらでせわしなく動き続けており、止まることのないその流れは間に人を入れながらも規格化された製造ラインの様にも見えた。
その一角。MSを積み込んでいた艦首付近で、ちょっとしたトラブルが発生していた。
積み込まれるはずのMS。一般にドムと呼ばれるその機体に問題があった。
ツィマッドから宇宙攻撃軍に納入された新型機体の第一陣はおよそ六十機。その内六機がヒダカ独立戦隊に回されることになり、ソロモンでリヒャルト・ヴィーゼ監修の下小規模の改修を施した後、積み込み作業が行っていたのだがどうにも機体数が一機多い。明らかに見てくれからして他の機体と違う上、書類にも載っていない。
これはおかしいと言うことで一旦作業を中止し、もしかすると別の部隊の所に行くはずの物が間違って来たのではないかと責任者に事の次第を確認していたのだが……
(´・ω・`)内乱起きるにしても、短期決戦と見た。
連邦軍が付け入る隙が出て、片方側に加担した時点でジオン終了級なだけに。
第五十九話 何ルートか思い出してもらおうか。--主人公の部隊にリックドムUの配備ついでに、ハマーン・カーンがパイロットとして配属されるという凄い事態になった。
-
「どういう御つもりですか」
「どうもこうも。私がこの機体のパイロットです。これからよろしくお願いします。中佐」
「誰がお許しになられたことか」
「父と、義兄様になる方々が」
「方々……はっは、ああそうか! そういうことかっ!」
「はい。きっとそういうことです」
怪気炎を上げる冬彦と、涼やかに返す少女。一括りにした少女の菫色の髪が揺れる。
見守る者達の中の幾人が、不条理に怒る冬彦ではなく、不条理に飛び込んだ少女の方こそが真の“怪物”と気づくだろう。
「……ウチにいると、碌な目にはあいませんよ。“お嬢さん”」
「望む所です」
この日。ヒダカ独立戦隊の隊員名簿に、一人の少女が名を連ねた。
少女の名は、“ハマーン・カーン”。
(´・ω・`)ハマーンルートという事なのだ。
第六十話 ハマーン様も昔は最近流行りのツインテールだった。-ハマーン様が訓練しているでそうろう。
主人公部隊は精鋭なので厳しい訓練が待っていて大変どん -
(´・ω・`) こ れ な ん て 少 年 兵
レビル(´・ω・`)ジオンにひとなし!
第六十一話 サブシナリオの可能性-完全にジオン内戦突入寸前状態。
サイド3がピリピリ緊張していて、港に親衛隊が待ち構えている。 -
そんな状況を打破したのは、アヤメだった。
まだ熱い紅茶の飲み口を無理矢理冬彦の口にあて、カップを潰したのだ。
溢れた紅茶は、当然冬彦の顔にかかり痛みを与える。
荒療治。階級が絶対の軍においては許されることではない。
だが冬彦は――
「アヤメ……」
「よし、しっかりしたね。さあ指示をくれ戦隊長。どうするの。まだ駄目なようなら、しばらく僕が代理で動かすよ」
「……あいわかった」
アヤメを叱責するでなく、己が不明を詫びるでなく、顔に手をやり、そのまま髪を掻き上げて。
「グワザンへ通信を。まずコンスコン少将と連絡を取りたい」
(´・ω・`)短期間で内戦に一気にケリをつけないと、 完全に じおん 詰んだEND
第六十二話 ージオンが内戦一直線。
でも、ドズル中将がクーデターを起こすのには理由がある。
今なら連邦と有利な講和を結べる可能性があるからだ。
連邦がMSを量産するようになった今、ジオンの優位が崩れつつあるーー
「……まあ貴官にサイド6へ特使を迎えに言って貰うという案もあったが、それは別の者に任すことになっている。例え交渉が決裂したとして、そうすぐに戦闘に発展することはないだろうしな」
「敵を削れば削るだけ、ジオン全体の戦力が減るだけですからね」
「その通りだ。そしてそうなるまえに、貴官に説得して貰いたい相手がいる」
「それは?」
「高官や知識人は、ドズル閣下やマハラジャ閣下が何とかしてくださる。そこで、貴官にはもっと下の、実際に現場で戦う人間をまとめてもらう」
「……はい?」
「実際に指揮をとれとまでは言わん。だが、敵に回られるのは困る。ドズル閣下の式までに、有力なパイロットを取り込んでおいてくれ」
(´・ω・`)可能な限り味方の戦力を削がず、ドズル中将が主導権を握らないとダメな時点でこのルートはかなり難易度高いんですな。
第六十四話-エースパイロットだらけの演習でガトーにハマーンをぶつけたら勝利できた。
ニュータイプの性能しゅごい。-
「くっくっく……」
数秒間だけ入れていた無線のスイッチを切り、冬彦は後部座席で不敵に微笑む。
アヤメの策にのり、あえてハマーンに操縦を任せたままにする。
ハマーンの操縦技術がエースにどれだけ通用するかが問題だったが、不意をつけたことでガトーのザクにダメージを与えた。
ここまでは、予定通り。
「これから、どうすればよいのですか」
いつものような無線ではなく、肉声でもってそう問われた。
問うたのは、前の席に座るハマーンだ。
バイザーが上がっているために、無線ではなかったのだ。
「どうすればいいと思う?」
(´・ω・`)熟練したオールドパイロットに勝利できる存在、これがニュータイプという事か……(シャア風
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