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巨大戦艦に駆逐艦が対抗するには、分厚い装甲をぶち破るための手段がなければならない。

ビームではシールドに弾かれ、ミサイルは装甲に受け止められ、特攻以外にダメージを与える手段がないと言ってもいい。

特攻こそが駆逐艦の道を切り開き、勝利を齎す近道なのだっ!

【ぎゃあああああああああああああああああああっ!!!!!

戦艦と巨大戦艦のオペレーターAIをやりたいいいいいっ!!!!!

銀髪巨乳美少女のアンドロイドに搭載されたいいいいいいいっ!!!!!

どうして、現実はごんなに酷いのおおおおおおおおっ!!!!!!】







最終話    巨大戦艦なんて虐殺だぁっ!(後)







28隻の駆逐艦が密集隊形を組み、巨大戦艦ユギャークの元へと全速力で突撃をかけようとしている。

ただの的にしかならないような隊形だが、同じ場所に集中的に特攻するには、この方が便利であり、味方を臨時の盾代わりに使えるので便利なのだ。

弱いビームなので貫通はせず、爆発炎上してバラバラになるまでは盾として機能してくれる。

『ガハハハハハハっ!全員で死ぬまで突撃したらんかーい!ぷはぁっ!お酒がうめぇっ!』

【この指揮官さんっ・・・!お酒飲みながら指揮しているよ!明らかに信用できないよっ!

・・・どぼじで逃げないのおおおおおっ!?!!全滅するだけでしょおおおおっ!?!!!!】

距離が離れているので時間が必要になるが、残ったエネルギーを全部使えば特攻まで減速する事もなくなる。

しかし、それを巨大戦艦ユギャークが黙って見ている訳がないっ!

特大ビーム砲で密集している艦艇に狙いを定め、ぶち放したのだっ!

【ぎゃああああああああああああああっ!!!!!特大ビームざんがぐるうううっ!!!!】

「ヒャッハー!全速で回避だぁっ!」

主人公の駆逐艦が速いという事もあり、特大ビームの射線から逃れる事に成功する。

だが、味方艦10隻が特大ビームに触れてしまい、爆発炎上どころか、艦艇そのものが蒸発して消えてしまったのだっ!

【残り18隻になってしまったから逃げようよおおおおっ!!!!!

帰ったら、安物でもいいからアンドロイドの身体頂戴よおおおおっ!!!!慰めてあげるからああああああっ!!!】

「ヒャッハハハハっ!絶望的すぎて最高だぁっ!脳が最高にハイテンションだぜぇっ!」

まさに絶望っ!全滅そのものが確定している窮地っ!巨大戦艦の元に接近する前に全滅しそうだった!

しかしっ!この状況で頼もしい増援がやってくるっ!

≪特攻を援護したるでぇっ!頼もしい味方の参上やっ!≫

戦場に超巨大無能空母サッサト・シネーを改造したオリジナル超巨大空母カズ・ノ・ボウリョクーが現れた。全長700mの超巨大空母であり、3000機の最弱戦闘機「ザッコー」を搭載している低辺艦艇であるっ!

あまりにも役に立たないから、駆逐艦部隊と一緒に行動するはずが、巨大艦艇の足の遅さで今になって戦場に到着したのだっ!

超巨大空母の滑走路から、次々と1mサイズの無人戦闘機群が出撃し、駆逐艦の援護をしようとしてくる。

距離は離れていても、戦闘機の速度なら簡単に追いつける。

「ヒャッハー!なんてロマンが溢れる登場の仕方なんだぁっ!

しかも、関西弁の美少女ボイスだぜぇっ!」

【せ、戦力の逐次投入すぎるよっ・・・!このチームは艦隊の運用の仕方を完全に間違っているよっ・・・!】

≪うちの可愛い戦闘機を盾にして、特攻するんやっ!

戦闘機と駆逐艦の意地を見せてほしいでぇっ!≫

3000機の心強い味方を得た駆逐艦達は、スピードを緩める事もなく、巨大戦艦ユギャークへと立ち向かう。

特大ビーム砲を撃てば、駆逐艦部隊が戦闘機部隊ごと壊滅するのだが、不思議な事に撃ってこない。

場に停止したままである・・・それはジェネレーターの出力が20%に低下したままなので、修理が間に合ってない状態での戦闘だったからだっ!

ここにも、犠牲になった駆逐艦達の熱い努力の結果が実っているっ!

駆逐艦の情熱的な犠牲、奇跡的な超巨大空母による増援、特攻を平然とやる駆逐艦部隊による三連コンボが成立し、この勝機を掴み取ったのだっ!

しかし、このまま時間を置けば、拡散ビーム砲を何発も撃つくらいのエネルギーは充填されてしまうのでピンチに陥ってしまうっ!

「逝くぞっ!逝くぞっ!逝くぞっ!逝くぞっ!逝くぞぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」

≪うちの戦闘機で守ったるでぇっ!拡散ビームがなんぼのもんやっ!≫

駆逐艦達には心強い味方がついている。

3000機の無人戦闘機・・・・の内、盾になれる位置にいる500機っ!距離が離れているので戦闘機がたくさんやってくるのに時間がかかってしまうっ!

【絶望的すぎるでしょおおおおおっ!!!!!タイミングが完全にあってないよおおおおおっ!!!!!!】

拡散ビーム砲が特攻をしかけようとする駆逐艦部隊に狙いを定め、もっとも効率よく拡散ビーム砲を当てられるタイミングを見計らう。

戦闘機は特攻しても、そんなにダメージを負わないので、完全に無視だ。

≪うちの戦闘機を舐めているようやなっ!

戦闘機にはこんな使い道もあるんやでっ!≫

500機の戦闘機が駆逐艦を後方に置き去りにして進み、6つの丸い拡散ビーム砲へと向かって特攻を開始した。

さすがに戦闘機のために貴重なエネルギーを消費する訳にはいかないのか、拡散ビームは放たれない。

次々と戦闘機が拡散ビーム砲へと滝のごとく特攻していき、ドカンドカンドカンっという爆発が巨大戦艦の表面で起こるっ!

【1mの無人戦闘機で10mくらいある拡散ビーム砲にダメージを与えられる訳ないでしょおおおおっ!!?!!!

巡洋艦の装甲並に頑丈なのにいいいいいっ!!!!!!!

・・・あれ?少しだけ壊れているよっ!やったね!】

「ヒャッハー!巨大戦艦の左舷の奴が少し壊れているぜぇっー!そこに集中攻撃して虐殺だぁっ!」

巨大戦艦の左舷に500機の無人戦闘機が滝のように現在も継続的に特攻する事で、拡散ビーム砲に少しづつだがダメージが入っている。

しかし、完全に破壊するには至らず、性能を30%ほど下げるのが限界だった。

500機の無人戦闘機を全て特攻に使い果たす頃には、新しい500機の無人戦闘機が駆逐艦の周辺に展開している。

≪時間的に後300機ぐらいしか送れへんけど、頑張って特攻してやっ!≫

【ぎゃああああああああああああああああっ!!!!!!

無理いいいっ!!!!!!無理いいいいいいっ!!!!

皆を見捨てて逃げようよおおおおおおおっ!!!!!!!】

「へっ!そんだけありゃ楽勝だぜぇっ!」

18隻の駆逐艦のプレイヤー達が主人公と似たようなやり取りをオペレーターAIと繰り広げている。

無論、皆の使うオペレーターは500円で販売しているうざい高性能AIさんだ。

AIの絶叫をBGMに、800機の戦闘機、18隻の駆逐艦の壮大な最後の特攻が始まるっ!

【ぎゃあああああああああああああああああああっ!!!!

拡散ビーム砲が光っているよおおおおおおおっ!!!!!!!】

拡散ビーム砲は性能は落ちたが、それでも撃てるビームの数は膨大だ。

数千の弱いビームが射出され、駆逐艦を守っている戦闘機が、ドカドカドカドカーンっ!という音がなりそうなレベルで一気に400機以上破壊され、駆逐艦を守るために身を挺している。

「ひゃぁっ!たまんねぇっ!巨大戦艦なんて全員で虐殺だぁっ!」

【死ぬうううううううううっ!!!!もう、何処に居ても死ぬううううううっ!!!!!!

拡散ビーム砲の射程範囲内だよおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!】

AIの方は必死である。敗北すれば敗北するほど、プレイヤー達が飽き、ゲームをアンインストールしちゃうので命の危機が迫っている。

1万円払ってもらって、このオンラインゲーム以外の媒体にも移れるようにして貰えないと最終的に消されちゃう運命なのだ。

そして、AI達の命運を決定するかのように、拡散ビーム砲が再度光り、数千のビームが解き放たれるっ!

それは残った戦闘機を全て破壊し、駆逐艦を8隻を破壊するほどに強烈な一撃だった!

しかし、駆逐艦と巨大戦艦の距離はもう極わずかであるっ!

「ヒャッハぁー!突撃だあああああああああああっ!!!!!

戦闘機と駆逐艦の恨みを思い知れええええええええっ!!!!

このクソガキがあああああああっ!!!!!」

【ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!】

10隻の駆逐艦が縦となり、巨大戦艦の拡散ビーム砲がある場所へと衝突を開始するっ!

一隻目の駆逐艦が衝突する事により拡散ビーム砲が全損し

二隻目で拡散ビーム砲の残骸を弾き飛ばし

三隻目と四隻目と五隻目と六隻目は密集しすぎて衝突事故起こしてくたばって、勝手に自滅し

【ぎゃああああああっ!!!目の前で爆発じているよおおおっ!!!!!】

七隻目の特攻で僅かに装甲に穴が空き

八隻目がその穴を身を持って拡大し

九隻目の犠牲でとうとう大穴を深くしたっ!

【巨大戦艦なんて・・・虐殺だぁっ!】

そして、主人公が乗る駆逐艦トッコウーが最大船速で、その大穴の中に入り込み、巨大戦艦の中で特攻するっ!

巨大戦艦の一カ所に爆発が起こり、それがたちまち、その巨大な身を全て覆うほどに膨れ上がれ、駆逐艦を何隻も虐殺してきた憎き敵が、宇宙に咲く一つの光となる大爆発を迎えたのだった。

冷遇されている駆逐艦と戦闘機でも巨大戦艦を打倒できる。

1隻の巨大戦艦を200隻くらいの駆逐艦と、膨大な戦闘機を犠牲にすれば勝利できる事の証明っ!

駆逐艦だって頑張ればやれるのだ!





























チーム戦そのものは、本隊が巨大戦艦の大火力によってボロボロにされて壊滅し、そのまま修理戦艦まで攻め込まれて皆殺しにされたので敗北した。

敗北したので、戦争勝利時までに生き残っている功績をたてた艦艇だけがポイントを貰い、犠牲となった駆逐艦300隻は無報酬で終了である。

【プレーヤーさんっ!プレーヤーさんっ!この黒髪ロリ貧乳巫女のアンドロイドが50万円で購入できるよ!

もう、毎日毎日、性的な意味でもお世話してあげて慰めてあげるから、これを購入し】

「死ねっ!お前みたいな糞AI搭載のロリ娘とか、誰得だっ!」

【酷いよおおおおおっ!!!!!才色兼備のロリ娘になってあげるって言っているのにどぼじでぞんな酷いごというのおおおおおおっ!!!!!

縞々パンティーとか履いて見せてあげるのにいいいいいいいいっ!!!!酷いよおおおおおっ!!!】

購入画面に可愛らしいロリ巫女のアンドロイドがでている。

しかし、主人公はおっぱいボインボインの美少女・美女しか女性として認めない漢なので、この手には引っ掛からない。

「そんな事よりも次の戦いだぁっ!ヒャッハハハハっ!

巨大戦艦なんてゴミくずのように虐殺してやんよぉっ!ヒャッハー!」

【ぎゃああああああああああああっ!!!!!次のチ−ム戦は巨大戦艦さんしかいないよおおおおっ!!!!!

あんな化物だらけとか酷すぎるよおおおおおおっ!!!!!!!!】

駆逐艦を操る漢達は、こうしたやり取りをAIと繰り広げ、今日も駆逐艦を駆って絶望的な戦場へと赴く。

巡洋艦に真正面からビーム砲で破壊されて砕け散ってバラバラになり

巨大戦艦と正面衝突して、僅かに装甲をへこませるという大活躍をしてくたばり

超巨大空母が巨大戦艦に特攻して道連れにして大爆発を起こし

駆逐艦同士での衝突事故で宇宙の綺麗な花火となる・・・そういう漢達の物語なのだ。

【ぎゃああああああああああああああああああっ!!!!

死ぬうううううっ!!!!死んでしまううううううううっ!!!!!

巨大戦艦の拡散ビーム砲とか死ぬうううううううっ!!!!!!

ゆぎゃあああああああああああああああああっ!!!!目の前が真っ白にいいいいいっ!!!!!】

「ヒャッハー!このスリルがたまらねぇっ!

味方が大量に犠牲になる戦場とかロマンが溢れているぜぇっ!」

うっかりロリ巨乳巫女のアンドロイドを購入して、そのまま嫁にした漢がいるとか、いないとか、そういう犯罪的な噂話が後日に流れた。












●オリジナル超巨大空母カズ・ノ・ボウリョクー  全長 700m

補給・修理・帰還するための設備を全て外し、戦闘機3000機を搭載して、ただ出撃させるだけの事に特化した外道空母。

戦闘機全てに爆弾を搭載したかったが、戦闘機の改造ができないので、小さくて大量に搭載できる最弱戦闘機「ザッコー」を載せている




●最弱戦闘機「ザッコー」 全長1m

機銃しかついていない弱すぎて困る戦闘機。

他の戦闘機よりも航続距離が少しだけ長いという所だけが利点である。












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