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Lv23「不死王の世界征服E〜偉大なる慈善事業〜」

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辛い会議を終え、港へとやってきたスターは、軽い疲労感を覚えた。
あの様子だと、商国は金儲けのためならば、独立すら売り渡しそうだし。
鬼族連は明らかに共産国を敵視して、私情をむき出しているにも程がある。
人類が団結しないと、帝国には勝てないのに絶望的だ。
幸い、帝国の兵器が手に入った。後はこれを無事に本国へと輸送して、徹底的に解析してコピー出来れば最高なのだが――

「スター同志!解析が完了しても、コピー作るのに50年くらいかかりそ――」

「良い!アンタ達!
この兵器を本国へと必ず持って帰るのよ!」

技術者の発言を無視して、スターはさっさと命令を下し、更なる言葉を続けた。

「無理とか、駄目とか、数十年かかるとか、家族がいるから生命だけは助けてとか、聞きたくないわ!
不可能と思わなれば何でも出来るの!
頑張って解析しなさい!
さぁ、返答は?」

「「イエッサー!」」

黒い軍服を着た軍人や、技術者たちは素早く敬礼した。
スターは小さい雪女である。
だが、人一倍、いや人の百倍ほど、人権を軽視し、恐怖政治に慣れていた。
今の所、平等に幸福を配る事に失敗して、平等に不幸をばら蒔いている現実がちょっと苦しい。辛すぎてベットの中で泣く事がある。

「任務に失敗したら、アナタ達は家族ごと開拓地(強制収容所の隠語)送りよ!
死んでも良いから任務を成功させなさい!
人類の興亡は、この一戦にありよ!」

「「イエッサー!」」

「さぁ!仕事を開始なさい!」

眠そうなスターの前で、兵士たちが、ヘリを輸送船へと積み込む作業を開始した。
一応、港には最新式のクレーン(木製)があったが、ヘリみたいな巨大な兵器を運ぶ事を想定していないので、下手したら事故りそうだ。

「……もう寝るわ。
今日は疲れた……」

「イエッサー!」

「影武者の娘達の準備は良い?」

「スター同志にそっくりの美少女だらけです!ご安心ください!」

「この前みたいに、影武者の娘に手を出して、他国へ駆け落ち亡命するなんていう事態が発生したら、全員開拓地送りよ?
分かったわね?」

「イ、イエッサー!」

護衛の兵士を引き連れて、スターはカーテン付きの馬車に乗る。
その馬車の近くに、似たような形の馬車が十台あり、スターそっくりの銀髪の女の子が中にいるはずだ。
ここは商国。
金を積めば、何でもやる亡者の巣。
こうやって影武者を十セットくらい用意しないと、スターは安心して宿にも止まれない。
共産国としての面子もあるから、庶民じゃ一生泊まれないような高級ホテルに宿泊しないといけないところも辛かった。

(宿代くらい、アンタらが払いなさいよ。
商人って本当にガメツイわね……)

商国のドケチさに、スターは嫌な気持ちになった。
気分転換をするために、窓の方を見る。
馬車が移動して、商国の町並みがカーテンの隙間から見えた。。
帝国から購入した自動車という機械が、少数だが街中を動き回っている。
立派な建物の一部は、看板の数々を見れば、帝国を拠点に持つ大企業だと分かった。

「こんな所まで……大魔王ワルキュラの魔の手が迫っているなんて……。
一体、商国は何を考えているのかしら?
お金を稼げても、未来がなければ意味がないのに……」

道行く人々は、裕福そうな連中を多く見かけた。そんな所がとっても気に入らない。
商売で成り立っている国だけあって、お金持ちが多いようだ。
だが、やはり資本主義の闇もそこに広がっている。
一瞬、路地裏が見えた。貧乏そうな身なりの人間や亜人達が、嫉妬心混じりに表道を睨んでいた。
彼らは資本主義の恩恵を受けられなかった負け組だ。
富を至上主義とする社会では、有意義な労働力を提供できない底辺層は買い叩かれて、何の価値もない。
無職になった時点で、家と投票する権利を失うから、政治家も動いてくれない。

「こんな社会、絶対、間違っているわ……。
きっと帝国のせいでこんな事に……え?」

馬車は表道を通り過ぎる。
一瞬、本当に一瞬だが、可笑しい光景が見えた気がした。

「おーい!ワルキュラ様からの配給だぁー!
美味しいシチューだぞー!
たっぷり飲めっー!」

「シチューはムダが少ない完璧な料理なんだぁー!」

数人の白い骸骨達が、大きな鍋を持ってホカホカなシチューを、路地裏の貧困層に配っているように見えた。
とっても優しそうで呑気な光景だった気がする。
スターは十分ほど思考停止した後に――戦慄した。

「な、なるほどっ……!
ああやって人間を懐柔して……最後に裏切って……!
絶望させる気ねっ……!
なんて悪辣な化物なのかしらっ……!
骸骨の癖に、こんな事までやるなんて……悪党にも程があるわよっ……!」

悪の帝王ワルキュラ。
実際に会った事はないが、外見が骸骨だから、きっと分かり合えるはずがない。
異なる価値観と価値観は衝突するのだから。

「商国にここまで化物が浸透しているなんて……人類はもう駄目かもしれない……」




首相「食料支援は成功しておりまする、ワルキュラ様
(民衆を味方につけて、いずれ征服なさるための準備に違いない)」

ワルキュラ(イメージアップになったら良いなぁ……)


〜〜〜〜〜〜〜
【小説家になろう】「物理単位を統一して、弾道計算でチートする!」 議論が超白熱

http://suliruku.blogspot.jp/2016/08/blog-post_26.html


【内政チート】「火薬の製造コストは高すぎる? 」
http://suliruku.blogspot.jp/2016/07/blog-post_23.html



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投稿者: unagi  [2016年 09月 09日 14時 18分] −−−− −−−−
良い点
名目上の独立すら、高値をつけてくれるなら、売るのが商人って奴ですにゃー。
国だって親だって 出来るだけ高く売るのが商人ですよねー
一言
共産国 理想通り財産や予算を皆で分けちゃったら 国防軍も作れず覇権なんて握れないどころか独立の維持も難しそうですが 実際そうじゃないから
 共産主義って目的じゃなくて覇権握る手段なんですよねー
(´・ω・`)ぱるめ    [2016年 09月 10日 09時 25分]
・ω・`)共に貧乏になろ産(う)主義

サムソン卿「あ、どうも。
うわぁぁぁぁぁ!!館の中が死体だらけだぁぁぁ!!!ヒデブッ!」

オレルアン「皆、あの世にいるぞ!
さぁ、君も死ぬんだ!
時間的に、君が最後のひとりだ!」

サムソン卿「オ、オレルアン卿!?
アンタは裏切ったのか!?」

オレルアン「あれ……?
私の演技……そんなに上手かった……?」

サムソン卿「ぎゃぁー!幽霊系最上位アンデットなスペクターだぁー!」

オレルアン「最後の1人だし……何か私に聞きたい……?」

サムソン卿「な、なんでこんな事をっ……?
お、俺たちが反乱を起こしたからか!?」

スペクター「うーん……。
古いシステムはある程度、削除した方が良いからかなぁ……
ほら、大木に腐った枝があると……大木も腐るでしょ……?
だから、枝を切り払って……新しい枝を付けるの……。
あ、腐った枝は……今の貴族の事だよ……」

サムソン卿「そ、そんなぁー!?」

「ごめん……間違えた……
地面だけ残して……古い大木は丸ごと燃やしちゃうようなやり方かな……。


「お父様というか、帝国のシステムそのものがとっても面倒臭がりなの……
あ、お父様ってのはワルキュラ様の事ね……。」

サムソン「ワルキュラの娘!?
そんなものいるはずが」

「うん……確かに血の繋がりはないよ……。
でも……酷い目にあって死んだ私を……家族として迎えてくれるって言ったし……。
なら、もう……血とか魂とか関係なく……お父様で良いと思うの……」

サムソン「」

「そろそろ死んで……。
この仕事のせいで眠る時間が少なくなって……夢の世界でお父様とイチャイチャする日々に……戻れないの……」

サムソン「そんなー!?」


「あの狐娘……いつか殺す……。
お父様に近づく女……絶対殺す……」

5 件のコメント :

  1. (´・ω・`)眠いから追加修正はゆっくり明日

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    1. ワルキュラ(´・ω・`)どんだけ頑張っても、悪い噂ばっかり流れる現実

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  2. それだけ治安が悪く社会保障が出来てない証拠だけどね
    社会保障は貧乏人の我儘ではなく富の再分配により
    国家の人材育成を助けたり
    貧しさに負けた犯罪者を出さないように
    学問などで自分に価値を与える教育により
    よりコストの低い治安維持を目指すものなんだけどね
    それを悪用したりする奴が断たないお陰で
    社会保障=搾取
    と短絡的に考える人増えてる気がする

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    1. 商国(´・ω・`)よし、共産主義の良い所を取り入れて、資本主義を改良しなきゃ……!


      商国(´・ω・`)財源どうしよう。たくさん企業ある設定だから、法人税を改良して公共事業すればワンチャンス……

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    2. なんか汚職して金が私人に流れてる感じだなぁw
      まあ市場原理は競争と腐敗の原理だからね

      ある程度の介入と規制の無い原理は
      特定の人間に富が流れ
      富の偏在が顕著になるってピケティ言ってたw





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