魔女娘戦記
第三話 北朝鮮の大都市【平壌】へようこそ! 

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後世の歴史家ウリ・マンセーは語る。

ウリ・マンセーヽ(´Å`●)ノ「当時の朝鮮半島は、周りの国々よりも1000年は文明が遅れていました。
顔料がないから、民衆の着る衣服は白。
針も作れないから、オーク中帝国から輸入。 
木を曲げる技術もないから、樽が存在せず、水を遠方に運ぶ手段がなかったのです。
だから、銃なんて作れないはずなのに、なんで銃があるんだよ!」

読者(`・ω・´)「冒険者達が量産したボルトアクション小銃があるお。
爆弾もあったお。魔法もあったお。
この歴史家は何を言ってるお?」

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死んだはずの魔女娘の視界に、霧がかかった暗い川が見える。
岸には石を泣きながら積んでいる子供達の姿が見え、定期的に真っ赤な鬼が鉄の棍棒で石を崩して遊んでいる呑気な光景が繰り広げられていた。
親より先に死んだ人間の子供達が虐待されまくる賽の河原っていう場所ダニ。
例え、子供達がどんな理不尽な死に方をしてここに来ようとッ!
地獄の鬼達にはそんなの関係ねぇっー!

「ヒャッハハハハ!
てめぇらは親より先に死んだから、石を積み上げないと転生する権利すらないのだぁっー!
貴様らが悲しんでも、鬼は苦しまぬっー!喜ぶっー!
さぁっ!さっさと石を積む作業に戻れぇー!
全部崩してやるうっー!」

(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)うぇーん、お母さんっー、助けてぇー

魔女娘はそれらの光景に目を背けて、今度は川の対岸を見る。
霧がかかった対岸から、懐かしい人達の声・・・父、母、甥、姪、兄夫婦、お爺さん、お婆さん、友達がずらりと並び、こっちに向かって手を振っていた。
一部、100年ぶりの再会。
120年の人生は伊達じゃないっ!

父「こっちへこーい」
母「こっちへこーい」
兄「こっちへこーい」
甥・姪「「なんで叔父さんが 銀髪ヨウジョ になっているの?」」
お爺さん・お婆さん「「とりあえず、こっちへこーい」」
親友「「こっちへこーい!間に合わなくなっても知らんぞぉー!」」

こんな声が聞こえたから、全裸の魔女娘は立ちあがり、勢いよく走って向かった。
もう二度と会えないと思った人達を見た事で、涙を出しながら喜ぶ。
今まで、ずーと、孤独に近い生活だったから、喜びすぎて、顔中から鼻水を始めとした液体が溢れ出ていた。

「おお、あの世は存在したのか!
長生きするもんじゃわい!
あの世で青春を取り戻すぞー!
久しぶりに将棋と囲碁をやろうな!」

でも、首をガシっ!と後ろから掴まれる。
振り返ると、真っ赤な岩のような肌をした鬼の腕だった。
角が頭から生え、子供が見たら泣くくらいに怖そうな顔で

「おめぇ不死者だろ?
さっさと元の世界に帰れ。」

「え?」

「不死者があの世に来んな。
帰れ。
死という救いが、あると思うな。」

鬼はそういうと、魔女娘を問答無用で力強く空へと放り投げた。

「年寄りは優しく扱わんかぁー!
人でなしー!
ワシの死後の青春がぁっーー!」

魔女娘の身体は地上を離れ、空を離れ、宇宙空間。
周り一帯が、★がキラキラ輝く幻想世界。
UFOさんが一隻見えてSFチック。
現実味のなさに、これは夢だと思った。
そして気づいたら、知らない天井を見ていた。
あの世と現世の境界線、三途の川にいると思ったら、石の台座の上でいつの間にか寝転がっている。
今までの全ての体験・光景が夢かと思った魔女娘だったが、自分の身体を見て、それらは現実なんだと理解する。
120歳生きたジジイとは思えない新鮮でプルプルの肌。
股間に男を象徴するパオーンがなくなり、ツルツルのピカピカ。
こじんまりとした貧乳。
それに身体が自由に動く。
寝た切りの老人ではない、10歳くらいの若くて健康的な女の子の・・・・全裸だ。

「うーむ、今までのは夢じゃなかったんじゃのう。
死んだ後も人生が続くとか、世界は不思議に満ちておる。
ところで・・・ここどこじゃろう?」

自由に動く身体。
これだけで魔女娘には感動もの。
キョロキョロと周りを見渡す事が出来る。これだけでも、以前とは大違い。

「誰か、ワシに服をくれんかのぅ。」

でも、全裸で外を出歩く趣味はないので、服が欲しかったそうな。





第三話 北朝鮮の大都市【平壌】へようこそ!





平壌。
それは現実の最貧国な独裁国家【北朝鮮】の首都。
位置的には、朝鮮半島の斜め上にあり、この世界ではソウル王国の第二次の都市として発展している。
その都市の片隅に、古びた寺院がポツンと立っていて、寺院の入り口に居る一人の巫女服を纏った金髪美少女が、憂鬱そうに空を見上げていた。

「私達、どうなるんだろう?」

時折、南朝鮮へと向けて避難しようとする住民達が、少女の胸を見て驚いた顔をしている。
巫女服を着た上からでも分かるほどに、少女の胸は豊満な大きさ。
大きい事は良い事だ。と実感させてくれるポヨヨーン。
男を惹きつける魅力を、胸に持っている少女の名をアイ。
この寺院を管理する冒険者(プレイヤー)。
寺院は、死んだ冒険者が復活する拠点を兼ねているため、とても大事な役割を任されている事になるのだが・・・今の状況だと辛い。
人類軍を打ち破ったオーク軍10万匹が補充と再編成を済ませ、殺した人間を食べながら、朝鮮の各都市へと向けて軍を進撃させている。
いずれ、平壌も男は殺されて、女は犯される阿鼻叫喚な地獄と化す事だろう。
ここから逃げようにも、ソウル王国から冒険者に下った命令は

【冒険者は現場を死守せよ。】

最前線にいる冒険者達を丸ごと使い捨てにする鬼畜命令だった。
既に朝鮮半島の半分は放棄する事が決定している以上、この平壌も放棄されるのに、最後まで残って徹底抗戦するように言われてしまった。
国からの命令に逆らうと、理不尽な結末が待っている。
従っても理不尽な結末が待っている。
戦って勝利しても、難癖をつけられて酷い事をされる。
冒険者の立場は、軍というより傭兵のようなものだが、スポンサーのソウル王国は財政難を理由にほとんどお金を払わずに、冒険者に責任だけを押し付けてくる事もあって、冒険者達は困り、800人くらいが戦場に行く事を拒否し、戦場の遥か後方で働いていた。
まともに前線近くで働いている200人の冒険者は、生真面目というか、お人よしというか、損な性格な人達。
その損な性格の1人であるアイは鬱な気分になり、溜息とともに独り言をつぶやくと

「もうやだ。
私、おうちに帰る。
あ、元の世界への帰り方知らないんだった。」

「お主、何をたそがれておるんじゃ?」

「え?」

アイの後ろから落ち着いた女の子の声が聞こえた。
アイは寺院の入り口を守るように立っていて、寺院に入る人を1人も今日は見ていない。
つまり、寺院の中から声をかけられるという事は、この声の持ち主は死んで、寺院内で復活した冒険者という事になる。
慌ててアイは後ろに振り返ると

そこには  全 裸 の 小  さ い 可 愛 い 銀 髪 の 幼 女 が  い た。

胸はふっくらと小さく、髪は腰まで届く銀髪、耳は尖っている。
幼い外見の割には、貫禄がある不思議な女の子・・・・というか、魔女娘だった。
何で全裸なのか気になったアイは

「なんで裸なんですか!?
このレイプ事件が多い国で、全裸とか、性犯罪に合いますよ!
早く服を着てください!」

「いや、ワシ、さっき、えーと、オ、オークに服破かれた後に死んで、気づいたら、ここに居たんじゃよ。
死んだと言われても信じられないかもしれんが、服を貸してくれぬか?
ワシも事態を理解しとらんのじゃ。
この通りじゃ、服を恵んでくれ。」   魔女娘が頭を下げる。

「あっ・・・」

アイは魔女娘の言動で勘違いした。
この世界で数年を過ごした冒険者は、着ている装備が破壊されても大丈夫なように、予備の装備品を複数、アイテムボックスという異空間に保管しているから、着替えに困らないが、一部例外がある。

(オークに捕まって酷い事されちゃったんだね。
可哀そう。 )

無理やり第三者の手で、アイテムボックスを開けられて、全てのアイテムを強奪された後に死んだら、替えの服はなくなる。
今回の場合は、オーク軍が攻め込んできて大変な時期だから、アイの脳裏には、魔女娘がオーク達と一緒に白濁でグチョグチョのアーンな事になった後に死んだのだと想像して、同情していた。
オークは無意味に女性を殺したりしないが、餓えたり興奮しすぎて性行為中に女性を殺してしまう事が稀にある。

(平静を装っているけど、きっと、酷い目に合ったんだろな。)

魔女娘に同情したアイは、代わりとなる服を用意してあげようと思って

「ちょっと一緒に付いてきてくれる?
寺院に、あなたに似合いそうな服が、幾つかあるの。」

「ありがたい。
あんたは良い人じゃな。」

「こういう時はお互い様だよ。」 魔女娘を落ち着かせようと笑顔を浮かべて、ニコリっ★

(親切な娘に会えて、ワシ若くなった上に運が良い
それにしても、なんて凄い巨乳の巫女なんじゃ。
きっと、この娘もリア充じゃな。間違いない。
こんなに可愛くて、エロイ娘を嫁にしない奴は頭が腐っとる。
巫女は可愛くてええのぅ。感服感服。)

魔女娘と一緒にアイは寺院の中へと入っていった。
魔女娘が胸を見ている事に、アイは気づいていたが欲情ではなく、尊敬が籠った視線だと勘違いしたので、特に気にしなかった。

(この娘、私みたいな巨乳に憧れているのかな?
胸なんて大きいとお荷物なのに・・・・・)






魔女娘がアイから渡された服は、涼しそうな薄い黒いシャツと、歩きやすさを考慮された短いスカート、黒色のパンツだった。
普通、男から女性になった人間さんは、女性物の服を着る時に困惑するかもしれないが

(ワシ、自分で服を着れる。
健康と若さは偉大じゃ。
若くて最高!)

魔女娘は今まで介護施設で、排泄から風呂、食事、着衣、脱衣を全て他人にやってもらう生活をしていたから、自力で服を着る行為に感動していた。
他人にやってもらうより、自分でやった方が、人としての自尊心を保てるダニ!

女性物の真っ黒のパンツ?微妙に大人っぽくてアダルティー?
介護施設に居た時はオムツだったから気にしない。パンツに両足を通してゆっくり履いた。女性用のパンツ履いても恥かしくないもん!
オムツで排泄垂れ流しの頃を思えば、幸運だもん!

スカート?
他人に排泄物を処理してもらう生活だったから、気にする必要あるの?疑問もなく魔女娘はスカートを着用した。下半身がスースーする。
上着もスムーズに着ている。
ブラの類は、貧乳のちっぱいだから、それ以前に存在してすらいない。
この国、一応、最貧国のようなものだから、とっても貧乏で産業が発達してないダニよ。

(ワシ、自分で自分の事が出来る。
ああっ!なんて素晴らしいんじゃ!
出来れば、身体が男の方がもっと気軽に生活できていいのじゃが、これ以上の贅沢は言っておられん!
健康って最高!
ビバ!第二の青春!)

服を着用する行為だけで、魔女娘は涙を流して感動していた。
その様子を、横から見ていたアイは、勘違いを起こしている。
妖精みたいに可愛らしくて小さい娘が、突然、涙を流したから・・・今まで酷い目にあった事が想像できて

(この娘・・・・本当に酷い目にあったんだな。
酷い事をしたのがオークか、この国の人間なのか分からないけど、許せないよ。
女性をなんだと思ってるんだろう。
こんな鬼畜で腐った世界は可笑しいよ。)

アイはこの世界に来てからの事を思い出す。
人民の半分が貴族という末期的なソウル王国。
現在、敵対しているオークの国は、人口26億匹の超大国。
他の国々も超大国に相応しい巨大国家。
油断して寝ていると、夜這いされそうになって大変☆
このソウル王国では女性に人権がなく、道具同然の存在だから、女冒険者への風当たりが恐ろしいほどに辛い。
アイ自身、10回くらい貴族に手籠めにされかけ、50回くらい顔を殴られた。
挙句の果てには、道のあちこちに人糞が落ちている。

(私、なんでこんな世界に来ちゃったんだろう。
二度目の人生が手に入ったのはいいけど、世界が腐ってるよ。
あのまま、すんなりと死ねたら良かったのに。
冒険者には、死という救済すらないよ。)

アイと魔女娘。
性格というか、人生への考えた方が対照的な二人だった。
魔女娘は、アイの暗い様子を見て感じとり、首を少し傾げて

「お主、何か悩んで居そうじゃな。
もしもなんだったら、ワシが相談に乗ってあげるぞい?
服を貰った恩があるしのぅ。
ワシも聞きたい事がたくさんある。
・・・ここって何処なんじゃ?」

「え?
平壌(ピョンヤン)だよ?」

「平壌(ピョンヤン)?
ゲームの都市を実体化するとこうなるんじゃな。」

一瞬、アイはどうして、魔女娘がこんな事を聞くのか分からなかったが、魔女娘の質問の意味を軽く考えると

(この娘、ひょっとして・・・この世界に来たばかり?)

すぐに答えに行き着いた。
その疑問が本当に正解なのかを確かめるために、アイは魔女娘に

「ねぇ。
ひょっとして、あなたは、この世界に来たばかりなの?」

「?
ああ、そうじゃ。
現実で死んだら、周りがオークだらけの戦場で大変じゃった。
本当に・・・久しぶりにたくさん汗をかいて運動して大変じゃった。
服もパンツも破られたし、、全身、オークの・・・・・・ワシ・・・大変じゃった。」

唾液で全身ビチョビチョになった事を誤魔化したせいで、魔女娘の言葉から、アイは、運動 = オーク達と口で言えないような激しくてニャンニャンな事をしたんだなと誤解した。
これからする話は、辛い現実だから、アイは悲しい気持ちになりながら、魔女娘に真剣な目を向けて、女として、人として、この世界の事を教えてあげないといけないと思って口を開き

「なら、何も知らないなら説明しないといけないよね。
今、この人類最後の国の状況を教えてあげる。
今、この国は・・・・」  

一呼吸おいて

「数年以内に滅亡しそうなくらいに、危ないの。」

「?」 魔女娘は、分からないという感じに首を傾げた。妖精のような外見だから、この仕草だけでも可愛らしい。

「ええと、どれくらい危ないか、具体的に説明すると・・・・現在、朝鮮半島の半分を放棄する事を、王国が決定して、オーク中帝国軍先遣隊10万匹、その後ろから100万のオーク軍が朝鮮半島に向かって来て大変なの。
冒険者全部あわせても1000人くらいしか居ないし。
この国の命運は風前の灯に等しい状況よ。」

「お主は逃げないのか?」

「王国から各拠点の死守命令が出てるから・・・私は逃げられないんだ。
命令に違反すると、罰されちゃうの。
・・・・命令に従っても非難されて罰されちゃうんだけどね。
ああ、私、どうしたらいいんだろう。」

魔女娘は、アイの言葉に戸惑った。
意味が分からない。
命令に従っても違反しても、処罰される?
なにそれこわい。

「だったら逃げればいいのではないか?
ワシも一緒に逃げるのを手伝うぞい。」

「でも、私は逃げたくないんだ。
この世界に着て、理不尽な目にたくさんあったけど、ここから逃げると人としてのプライドを失ってしまう気がするの。」

この発言に、魔女娘は顎に手を当てて少しだけ考える。
120年間、人として生きてきた常識に照らし合わし、このアイがどんな事を思っているのか想像してみる。

(人としてのプライド?
そうか!
きっと、この娘は他の大勢の人間を守るために、犠牲になろうとしているんじゃな。
良い娘じゃ。)

こう考えたが、アイが次にした言葉に絶句するしかなかった。

「だって!
この世界の人間って!
人民の半分が貴族だから働かないし!
密告制度を導入しているせいで、家族すら裏切る卑怯者ばっかりだし!
適当に税率決めて、平民や冒険者から搾取しようとするし!
女性に人権ないからって平民の妻を誘拐するし!
道は人糞だらけだし!
風呂もなくて汚いし!
労働を蔑視する変な価値観があるから、働くと差別されるし!
他国から亡命してきた人達を奴隷のように酷使して笑うし!
少し昼寝するだけで、脱がされて犯されそうになって大変だけど、ここから逃げたら、この世界の人間と同じレベルまで成り下がってしまう気がするの!
それだけはレイプされても嫌!」

「え?」 魔女娘はポカーンと口を開けるしかなかった。

なんか、ゲームをやっていた頃とは、全然、常識が違う。
確かに設定で、国が究極まで腐ってるという事になっていたが、ゲームのプレーに支障は全く出ていなかった。
さすがに魔女娘もツッコミを入れたかったので両手を少しあげて

「いやいや、そんな腐った国が現実に存在する訳ないじゃろ?
お主はそんなに人生に悲観する必要はない。
ワシも辛い人生を生きていたが、老衰や病気や怪我以外は何とかなるもんじゃ。
見た所、お主は若くて可愛い。
幾らでも、人生に希望を持っても良いはずじゃ。」

「でも、これがこの世界の現実なの!
あなたも、この世界で生きていたら絶望を知る事になるわ!」

アイは切実な思いで、溜め込んでいた思いを吐き出している。
魔女娘は、アイの真剣な眼を見て、迂闊に否定したのは不味かったかな?と思い、返答に悩んでいると、寺院の外から男の声がした。

「我は織田信長マーク2!
アイ!さっさと準備をして、我の戦車に乗れ!
回復役が足りなくて困っておるのだぁっー!
寺院なんぞ!放棄しても構わん!
我が全ての責任を持つぞ!」

魔女娘をバラバラ死体にして、この寺院に送ったイケメンな中年の声だったそうな。
そして当の魔女娘本人は、この声を聞いて、身体が少し恐怖して心臓がドキドキした。
戦車にバラバラにされて殺される体験なんて、よく思い出せばトラウマ物、
でも、信長があの時、場にいなかったら、●処女して女として最低最悪の青春の想い出を1ページ・・・いや、本一冊が出来あがるくらいに、身体中に刻み込まれる経験をしただろうだけに、怒ればいいのか、感謝すればいいのか分からない。

(むぅ、困ったのぅ。
どういう態度で対応すればいいのじゃろ。
何もなかったように、自然に接すればええかのう?)

「あ、信長さんだ!」

「ん?」

魔女娘はチラリと、アイの顔を見る。
それは・・・・憧れの男性が来た時に見せる女の顔。
顔がうっすらと赤くて、元気そう。
明らかに信長に惚れていると丸わかりだった。

(あー、ワシ、ミエナイー、キコエナイー。
周りがリア充すぎて、ワシの心が辛いー。
ワシもリア充にナリタイー)

イケメンな男達は、良い女を全部持っていく、そう思い込んだ魔女娘は現実逃避した。
せめて、股間にパオーンがあれば、略奪愛という選択肢もあるが、下半身にパオーンがないのでツルツルでスースーして涼しかったそうな。
TS娘は大変ダニね。
好きな女の子が出来ても、恋愛の難易度が高すぎて、不幸になりやすいダニ。




ゆっくり戻るよ!
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