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吸血姫はアホ可愛い!
29話「ロリへの愛は世界を救うか?@〜追跡戦〜」
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問い:ゴブリン達のアジトがばればれすぎる件について
答え:車を大量にプレゼントしたのは、車輪でアジトの居場所まで主人公が来れるようにしたんだお。ドナル●先輩の破滅願望は凄いお
ネタバレ伏線ver
https://suliruku.blogspot.jp/2017/02/29.html
あとはレッドゴブリンを追跡して――アジトを見つけるだけの簡単な仕事ですっていう状況にはならなかった。生きて帰れると分かった途端、調子に乗りやがったのだ。
「馬鹿ぁー!ばかぁー!俺を逃がした事をお前らは絶対に後悔するんだぜぇぇぇぇ!生き地獄を味わせて魔族様の家畜という立場を思い知らせてやるんだぜぇぇぇぇ!逃げられないように足を鈍器で叩いて腐らせてっ!生まれてきた事を後悔させてやるんだぜぇぇぇぇ!」
「誘導弾(イヴァル)」
俺は調子に乗ったレッドゴブリンに魔力弾(ツッコミ)をプレゼントした。小さな身体が5mほど吹き飛ぶ。だが逃げるよりも謝罪した方が良いと思ったのか、心で全く思ってもいない謝罪をしてきた。
「ひぃー!すいませんでしたぁぁぁぁ!調子に乗ってましたぁぁぁぁ!家畜様ぁぁぁっ!だずげでぇぇぇぇ!」
「誠意がこもってない謝罪は鳴き声と同じだぞ!?トドメを刺してやろうか!」
「い、いえ、人間さまぁぁぁぁぁ!失礼な態度をして申し訳ありませんぅぅぅっ!!!」
「さっさと俺の前から失せろ。部隊が全滅した事を報告でもするんだな」
「はい、わかりましたぁぁぁぁ!報告して報復して家畜様を拷問しますぅぅぅぅ!」
「……ああ、だるいなぁ。さっさと行け」
ようやく、レッドゴブリンは走って去っていった。しかし、徒歩は不味い。アジトが近くになかったら何日もかかりそうだ。
俺の視界からは見えない遥か向こう側へと去っていったが特に問題はない。奴が走ってから、俺と白真珠は白い装甲車を魔法の鞄に入れて、追跡を開始した。当然、目立たないように徒歩だ。その後ろをマスコミ関係者が乗った車が追いかけてくる……って、おい!?
「おいこら!?車は巨体で目立つから付いてくるなよ!?エンジン音のせいで遠くからでも居場所がばれるぞ!?」
「私たちは得するネタ……略して得ダネのためならば、誰にでも迷惑をかける主義だっ!24時間、アイドルを追跡してノイローゼにした事もあるっ!」マスコミの一人が言った。
「なんて酷い奴らなんだ!?」
「なら私達も徒歩で追跡すればいいっ!追跡なら慣れている!主に芸能人関係で!どこに引越ししようが追いかけて24時間監視できるのが得意だっ!」
「いや、大人数だと追跡がばれるし、他の魔物と遭遇した時にやり過ごせないだろ……お前ら、魔物相手に戦えるのか?」
「ハハハハ!何をおっしゃるのだっ!マスコミに手を出せる存在などいないっ!!手を出せば明日から犯罪者扱いして248時間偏向報道の嵐っ!!24時間カメラのフラッシュの洗礼を受け、家から出る事もできなくなるのだっ!」
「魔物相手にそんな権威が通用する訳ないだろ!?」
「でも得ダネの匂いがするので、ぜひとも、この追跡行をスクープさせていただきたいのだが……?」
「ほらっ!そこの車の残骸をスクープしろよ!レッドゴブリンと人間が協力していた証拠品とか、きっとウジャウジャ出るぞ!」
俺は指で、スクラップと化した数十台の車を指し示し、言葉を続けた。
「魔族と人間の共謀とか……地球全てを揺るがす大スクープになるだろ?俺らを追跡するより、そっちの方が安全で成功率もきっと高いぞ、たぶん」
「いや、テレビ的には君たちを追跡スクープして、アジトでの激戦を撮影した方がテレビ映えするような……?ちょうど可愛い美少女も居て、視聴率アップは間違いなし。ロリコン達から見てくれる」
「アンタらを守りながら、敵が何匹いるかも知らない場所で戦うのは大変だから駄目だ」
「私たちを守るために君が死んでくれると、更に人気が出――」
「いいか?これはかなり高位の魔族が関わっていそうな事件なんだぞ?さすがにこの第一階層に魔族が出るとは思わないが、自分の身を自分で守れない奴を同行させる気はない。
それにほら……ここなら、国連軍が駐留している基地が近くにあるだろ?確かロシア軍とか大陸系の国の軍隊が、大量に駐留していたはずだ。戦場での取材は軍隊とか、強い冒険者とかと一緒に行動しないと難しいぞ」
〜〜〜
すんなりと諦めたマスコミたちは車の残骸をゆっくり調べるために、国連軍がいる方向に向けて去っていった。きっと、残骸の調査中に魔物に遭遇したくないから、賄賂でも払って護衛してもらうつもりだろう。国によっては兵力の貸し出しサービスもやっているしな。
俺たちの追跡目標(レッドゴブリン)は、途中で森に入って完全に姿を消してしまったが、特に問題はない。足跡が残るから追いかけるのは楽だ。ゴブリンの足は短くて歩くのが遅いし。
「……あいつらのアジト、やっぱり視界が悪い森にあるのか……見失うなよ、白真珠」
「例え、足跡を消して移動していたとしても……簡単にアジトの場所が分かると思いますよ?ほら、森の隣を見てください」
言われた通り、森の隣の草原を見る。大量の車輪の跡がある事に俺は気づいた。すごい目立ちすぎる目印である。まるでアジトまで来てください、どうぞカモンベイビー、と言っているようなものだ。
「車を使ったせいで、まさかアジトの居場所がもろバレだとっ!?」
「えへんっ!これが諺で言う、ロリの手も欲しいっていう状況ですね!」
「えと、どういう意味だ?」
「ロリに仕事を手伝わせると凄く役に立つっていう意味です!」
その言葉に一理あるように思えた。可愛い娘がいると場が和むし、やる気も湧いてくる。しかも実力もあって足でまといにもならないというオマケまで付いていたら…そりゃ最高だろう。縞々パンティーも毎日拝み放題だ。
「一応……アジトから凄く離れた場所で、ゴブリンどもが車に乗った可能性もある訳だし、このまま追跡するぞ……」
「はーい!」
俺たちは追跡を続けた。森を歩いているとチョンチョンが出てきた。生首に翼が生えた魔物で噛み付き吸血攻撃が得意だ。
「家畜っー!」
「僕の出番ですね!相手が攻撃を仕掛けてきた一瞬がチャンス――」
「誘導弾(イヴァル)」
チョンチョンを倒し、森を出て広い草原を歩くと、頭が牛の大きな二足歩行の魔物と出会った。ミノタウロスである。
「こんな所に家畜だぁー!家畜がいるぞー!家畜ぅっー!」
「3mくらいありそうな感じにすごい巨体ですね!僕と怪力勝負です!負けません――」
「影人間(ア・バオ・ア・クゥー)」
一撃で瞬殺し、草原をしばらく歩くと沼地に辿りついた。その沼には泥人形という魔物があっちこっちにいる。とっても臭い匂いがした。少し移動するだけで膨大な物量が俺たちを包囲してくるのが手に取るようにわかる。
「家畜だ!」「家畜がいる!」「家畜っ!」「飢餓の魔族様が喜びになるっ!」
「足場が不安定ですけど、僕は負けません!僕の力を見せてあげま――」
「土操術(ノーム・コントロール)」
沼地を普通の地面に戻して、泥人形どもを生き埋めにしてやった。なぜか、白真珠が涙目になって「僕の活躍する舞台が……」と呟いていたが、とっても可愛かったし、特に問題ないように思える。
レッドゴブリンを追い、谷を超え、草原を歩き、とうとう目的地に俺はたどり着く。
目指す先は真っ赤な夕日――ではなく、炎に包まれている。森林が生い茂る森の中にあると思われるアジトは、ゴウゴウォと炎を撒き散らし、全てが灰になりつつあった。なんてこったい。
「お師様ぁー!?なんか燃えてますっー!悪の組織による証拠隠滅かもしれませんっー!」
不思議と慌てて叫んでいる白真珠に、俺は萌えた。燃えるように萌えた。
……ああ、どうしよう。今日の苦労が水の泡かもしれん。
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(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)先生ー!大変だぁー!
(´・ω・`)リア充爆発しろ?
(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)アジトが炎上中だよ!?
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