「あ、そうだ!大切な事を伝えなきゃ!」
モーニャンは、巫女服をゆっくり着ている最中に、何かを思い出したようだ。
慌てて半分脱げた状態で、彼女は僕の目を見つめて話しかけてくる。
「大変なんだよ!
ワァン様のお父様とお母様が!
旅先で山賊に襲われて死んだって!
ワァン様の叔父を名乗る人間が言ってたの!」
なんて嫌な予感がするセリフなのだろうか。
両親が死んで親戚が来るなんて――完全に遺産相続争いじゃないか。
獣人同士で殺し合いはしたくないだけに、憂鬱すぎるイベントだ。
『ただのお家騒動だぁー!?』
『うむ……この地域は確か……長子相続制だったな。
この機会に、領地丸ごと奪う気満々だぞ……その叔父』
両親の顔を、僕は全く覚えていない。
記憶にないから、死んだと言われても悲しめない。
あれ?
なんだろうか、この激しすぎる違和感?
モーニャンの言葉を思い出してみよう。
----------------------
旅先で山賊に襲われて死んだって!
ワァン様の叔父を名乗る人間が言ってたの!
----------------
なんで親戚が、人間なのだろう?
獣人は突然変異で産まれた生物であり、優性遺伝だ。
人間の指が五本なのは優性遺伝の結果であり、先祖が代々、青い目の人間と、黒い目の人間を交配させると、黒い目の人間が必ず産まれてくる。
獣人は子供を作るのが大変だが、人間(ホモ・サピエンス)から受け継ぐ遺伝子を無視して、獣人が産まれてくるはずなのだ。
ごく一部の例外を除き、親戚に人間が居るはずがない。
おい、邪神達。これはどういう事なんだ?
『犬さんの母親が銀髪犬耳美少女で』
『父親が帝国の子爵階級ですぞ、つまり人間さん』
なるほど、身分差と種族の壁を超えた恋愛の果てに、僕は産まれたのか。
良いな。凄くロマンチックだ。
僕は、すぐに老化する人間のお嫁さんを伴侶にするのは嫌だけど、きっと父親は尊敬できる人だったのだろう。
ちなみに……僕の両親はどんな奴だった?
『父親が、メイド服を着た10歳の犬耳美少女を見てムラムラ』
『我慢できずに押し倒して、毎日、3年ほど子種を注ぎ込んだ結果、産まれたのが犬さん』
……前言撤回。
僕のお母さんが享年約17歳な時点で、可哀想にも程がある。
三歳児な僕を放置している時点で、きっと心もボロボロで余裕がなかったのだろう。
今度こそ獣人が覇権を握る良い時代を作らなきゃいけない。
人間だって、寿命が長くて、無駄に健康な獣人の体に転生した方が、良い人生を送れるはずだ。
それにしても――まだ違和感があるな。
僕の頭の中に、取れないシミのようなモヤモヤな疑問があるような気がする。
そもそも、こんな山だらけの場所に山賊が出るはずがない。
ああいう仕事は交易ルートでやらないと、儲けが出ないはずだ。
あ、そういえば、僕がチン●を切断した山賊Bと山賊Cが――意味深な断末魔を上げていた。
ーーーー
「だ、誰……アッー!」
「あ、あの姿はっ……アッー!」
ーーーー
しかも、あいつらは口封じとか言っていた上に、僕の姿を事前に知っていたようだ。
つまり、山賊達は――僕に会うために行動しているモーニャンの大きな尻尾を見ながら、彼女を後ろから追跡していたのではないだろうか?
うっかり狐娘の愛らしさに負けて、下半身の性欲が抑えきれなくて、途中で彼女を襲ってしまったから仕事に失敗しただけ。
本当は僕の居る場所までモーニャンに案内させた後に、不意打ちをかけて殺すつもりだったのでは?
そうなると、この状況で、僕を殺害して最大の利益を得るのは――
「……そうか!謎は全部解けた!」
「え?ワァン様?どうしたの?」 驚いた拍子に、巫女服が少し脱げて色っぽい。
「こんなところに山賊がいる訳がない!
つまり、あいつらは叔父が差し向けた刺客だったんだよ!
この領地を手に入れるために、正式な後継者である僕が邪魔になったんだ!
モーニャンの後ろを人間どもに追跡させて、僕ごと始末しようとしてたんだよ!」
「え?そ、そうだったの!?
ワァン様の推理力すごいよー!」
モーニャンの大きく広がるきつね耳がピョコピョコ動いた。
どうやら、三歳児とは思えない僕の推理力に感動したようだ。やったぜ。
『こらこらwwww僅かな情報で断定するのは良くないwwww』
『だが……有り得る話だな……』
『合理的に現状を説明できますお』
叔父が保有する兵力が、たった五人という事もないだろう。
父親が保有していた兵隊とかも居るはずだ。
人間は物量が凄い生き物。下手したら百人くらい兵を養っているかもしれない。
僕はわざとらしく、危機感を煽る感じで叫ぶ事にした。
「このまま家に帰ったら、きっと殺される!
モーニャンも酷い目にあう!」
「そんなー!?
安定した生活を送れると思ったのに散々だよぉー!」
「大丈夫だ!僕に考えがある!
とりあえず、ナイフ格闘術だけだと不安だから……投石術を取得して練習してくる!
モーニャンはたくさん石を集めてくれ!
邪神どもは索敵な!」
「え?邪神?
ワァン様は何を言っているの?」
狐娘が可愛らしく首を傾げた。狐耳も少し斜めになっていて可愛い。
僕は彼女に抱きつきたくなる衝動を抑えながら、強い意志とともに言い切った。
「今を生き残るために必要なんだ!
頑張れ!モーニャン!
僕の言うとおりに行動すれば、必ず生き残れるから!」
「う、うん!
意味がわかんないけど……素手で大木を壊せるワァン様の言う事なら間違いないよね!
私、頑張るよ!」
なんて説得が簡単なチョロイ子。
僕は、彼女の未来が不安になった。
『なんという急展開』
『これは厳しい戦になりそうだお……』
『スキルがレベルアップする前に、戦いになったら犬さんが死んじゃう……』
お前ら、敵が近づいたら必ず警告しろよ。
ようやく巡り込んできた最大のチャンスを潰したら……僕の転生先が無くなるぞ?
【狐娘を抱きしめたから、犬さんは、モフモフ術を獲得しました】
モフモフ術か。久しぶりに聞くスキル名だ。
モーニャンのハートを鷲掴みにしたいから、破棄するのはやめておこう。
全てが終わったら、あの大きな尻尾を掴んで、たっぷりモフモフしたい。いや、すぐにモフモフしよう。
『こら待て!』
『戦闘にも生産にも使えない無駄スキルですぞ!?』
『15スキルしか極める事ができないのに、何をやってるのだ!?
モフモフ神を復活させてからやれ!』
「早速、石を集めてくるよーー!
え?どうしたの?」
モーニャンがそう言って、場から去ろうとしたから、僕は彼女の尻尾を掴んだ。
とっても触り心地がある尻尾だが、別にセクハラしたくて掴んだ訳ではない。
「とりあえず、モーニャン……服を着ようか?」
今までの会話のせいで、彼女の巫女服が、見事に脱げ落ちていた。
僕は、気になっている女の子を、純白のパンティー1枚で作業させる鬼畜な男ではないのだ。
ーーーーーーーーーー
モフモフ術。
どんな尻尾もモッフモッフにしてやんよ。
どんなワンチャンも、ネコちゃんも、モッフモッフ。
今まで取得した技能スキルまとめ + ゴミスキル
http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Game_fuu_sukiru/Ginou.html
ーーーーーーーーーー
山賊「俺の正体は!
実は傭兵だったんだ!
お前の叔父が雇った傭兵さん!」
主人公「どっちも似たような事をやっている職業な件」
(ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)先生ー!
なぜ狐娘がヒロインなんですかー!
(´・ω・`)獣娘で一番人気があるのは狐娘じゃろ?
猫娘とか犬娘とか邪道じゃな?
狐娘は神社にぴったり、巫女服も似合う。
大きな尻尾がチャーミング。
(ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)単純に、アンタが狐娘好きだからだろ!?
ニュータイプ的な直感がピキーンときました
アレッ?三人でやらないと二人だと「挟み撃ち」というのが常識のような気がする。
日時:2016年10月03日(月)
21:28
>高田 田
(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)なんて酷い包囲殲滅陣。
自然さんが大軍を駆除しちゃった……
日時:2016年10月03日(月)
20:15
山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山
崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖
味→敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵←味
崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖
海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海海
(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)先生っー!
包囲殲滅陣でやっつけてきましたー
日時:2016年10月03日(月)
20:03
2人で、50人の兵力相手に包囲殲滅陣やりたいパルメ
日時:2016年10月03日(月)
16:07