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最終話   マッハ皇帝を倒せっ!巫女さんは取り返せぇっー!


戦いでは背後と上を取った側が圧倒的に有利だ。俺が空高くジャンプしたのもこれが理由である。
でも、最大の問題点があるんだ。
宙に浮いている状態だと移動できないから、攻撃されると回避できないんだ(´;ω;`)

空に飛んだままの俺に向けて、マッハがボロボロの状態で右腕を深く引き、一瞬で振り抜く。
以前の俺なら、この動作すら見えなかったが、今なら見える。
音速のスピードでパンチを繰り出す事で、空気の刃を作って飛ばすという信じられない馬鹿な事をやっているのが見えた。
回避できない俺は、両腕でそれを防ごうとして、そのまま後方へと空気の刃に弾き飛ばされる。
まともに着地もできずに地面に何度もバウンドし、ウズノメ神社の白い壁に当たって、壁の方がガラガラと崩れた。
全身が痛くて瀕死状態っ!
俺は食の神から預かってもらった黄金の豚肉を出して、口に放り投げて咀嚼し、一気に回復して全身絶好調状態になったっ!

「無職っ!無職っ!無職っ!無職っ!無職ぅぅぅぅっ!」

マッハの馬鹿がボロボロなのに走って突撃してくる。無職の連呼がうざい。
今の俺なら多少のダメージを受けても、すぐに治るので、こちらからも突撃を敢行する。
ただの全速力で走って、相手に突撃する事しかできないが、捨て身の一撃が最大の防御であり、最大の攻撃だ。
無職は無謀な攻撃を恐れないのだっ!前進全速で捨て身特攻あるのみっ!

「無職ぅぅぅぅぅっ!!!!!」

「ぐはっ!」

マッハの拳が俺の腹に突き刺さり、俺の捨て身特攻のエネルギーのせいで背後まで貫通した。痛い。お腹が信じられないほどに痛い。
喉から血が溢れ出て、舌が血の味で不味い。
だが、今の俺は無敵だ。腹にマッハの腕があるせいで再生できないが、この状態で馬鹿をボコ殴りできるっ!

「モテモテリア充は死ねぇっー!おっぱい!おっぱい!おっぱいぃぃぃぃぃっー!」

頭を全力で殴って殴って殴りまくった。まさに猛攻。イブキの巨乳を俺の物に出来なかった恨みと絶望が籠められた嘆きのラッシュだ。
さすがの馬鹿も、これに耐えられないのか、腹に突き刺さったままの腕を抜いて後退する。
腹から血が溢れ出て、黄金の豚肉の効力があっても俺は死にそうだった。
すぐに新しい黄金の豚肉を食の神から返却してもらい、俺の口に放り込む。
マッハの馬鹿は、俺だけが一方的に回復している事に激怒して、また殴りかかってきた。
俺も応戦してマッハを殴る。マッハがボロボロのおかげで対等に殴り合えるっ!

「世間のクズっ!ゴミっ!無職っ!親の恥さらしぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」

心が痛い。マッハは俺の心と体の両方を攻撃してくる。
ボロボロのはずなのに、頭を殴られるだけで意識がとびそうだ。
だが、両親を馬鹿にされた俺は激怒したから、まだまだ闘える。
黄金の豚肉の味と、血の味がミックスされて美味しい。

「女を独占するゲスっ!モテモテっ!リア充っ!ハーレムっ!
羨ましいぃぃぃぃぃっ!!!!さっさと死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

「無職の分際で生意気だぁっ!無職っ!無職っ!無職ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!!!!!!!!」

俺もマッハもお互いに無理をしている。
普通なら、こんなに元気よく答えられないほどに口の中が血で満たされているが、意地で無理をして発声している。
頭を殴られたら、馬鹿の頭を殴り返し、腹を殴られたら、馬鹿の頭を殴り、骨が折れたら、馬鹿の頭を殴る。
マッハの顔が憎くて殴りたいから殴る。
そうやって殴り合っていく内に、俺たちの身体の全身から血が噴出していた。
涙なのか、血なのかわからないくらいに顔が血だらけで辛い。痛い。
神様に預かってもらっている食材を出したら奪われそうな距離なので回復が出来ない。

「おばえなんがじねっ・・・!無職はじねっ・・・!」

「お、おっぱいっ・・・!」

俺もマッハもそろそろ限界だ。
次の一撃できっと決着がつく。
残りの力を籠め、俺は右手でパンチを繰り出す。
マッハも右手で俺に向けてパンチだ。
走馬灯のようにゆっくりとお互いのパンチが相手に近付き、奴のボコボコの顔が見える。
あのマッチョな強面顔がブサイクになっていた。
どっちも相手の頭を狙っているせいで、パンチの軌道が同じだ。
しかし、俺の方が少しだけ腕が長かった。
俺のパンチが奴の頭に当たり、マッハの運動エネルギーも重なって絶大な威力を発揮する。
歯が何本も折れ、血を空中に盛大に吐き出しながら、馬鹿は地面に倒れて死んだ。

「ご、ごれで、イ、イブキ・・・」

勝利したはずの俺の意識が朦朧としている。
神々の食材を出そうにも、意識が混濁しすぎてわからない。
ち、血を流し過ぎたっ・・・!
の、脳に、ち、血がと、どどいてな・・・おっぱ・・・おっぱい!













第二章 巫女さんを取り返せ    両者死亡  引き分け。



あとがき

(´・ω・`)おお、よわいよわい。

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