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一人の死人が悩んでいた。
(俺……このままで良いのだろうか?)
彼は骸骨である。巨人サイズの骨だけで構成された不死の存在アンデッド。
名をワルキュラという。
彼には民衆から好かれる政治の仕方が分からぬ。
だが、人の一万倍、他人から勘違いされて、邪悪だと判断される才能に長けていた。
その長所というべき邪悪な外見が、ワルキュラを悩ませているのだ。
(俺、どうやったら民衆から好かれるんだろうか……?)
人民から好かれる指導者になりたい。そんな贅沢すぎる夢みたいな野望を持った骨だ。
だが、ワルキュラの見た目は骸骨。人が死んだ果てに到達する終着地点すぎる外見。体中から溢れる絶望のオーラ。
人間は印象が9割という格言がある通り、見た目が怖すぎて勘違いを解くのは難しい。
今まで、たくさん戦争をやり、国を滅ぼし、生者を殺し、今ではワルキュラの名は恐怖政治と同じ意味を持つ専門用語と化してしまった。
『あいつ、恐怖政治(ワルキュラ)するつもりだ』
ワルキュラはワルキュラなりに
『それ、恐怖政治(ワルキュラ)ですよ!ワルキュラ反対っー!』
善政をやってきたはずだが
『独裁者は恐怖政治(ワルキュラ)するな!』
この現状は心が痛くなって辛かった。
ここで一発大逆転のイメージアップ政策やりたい今日この頃。
脳味噌がない頭を捻らせたワルキュラは、名案っぽい何かが脳内に思い浮かんだ。
(そうだ。
俺の顔が怖くて、皆が恐れるなら……可愛い犬を各職場に配置すれば良いんじゃないだろうか?)
舌を出して可愛いワンコ。懐くワンコ。お手、お座り、オチンチンするワンコ。ウンコしてご近所に迷惑かけるワンコ。
地球でも職場に犬がいるだけで、ストレスが三分の一に軽減されるという研究結果が出ている。
(……これは良いな。
職場に犬を導入する政策を取れば、俺の人気がアップするかもしれん。
でも、いきなり導入して大失敗したら怖いからな。
セイルンに、犬を送りつけて、どんな効果があるか確かめてみよう)
思った瞬間が吉日。
ワルキュラは玉座から立ち上がり、人間の大臣に向かって、威厳を込めて命令した。
「セイルンの家に、犬をプレゼントせよ。
とびっきり可愛い犬をな」
「ははぁ!」 ニヤリッと笑った大臣はすぐに了承して場から立ち去った。
大臣が何かを企んでいるとは知らないワルキュラは、呑気に妄想の世界に耽る。
犬を飼った事がない彼には、ペットを飼う面倒臭さは分からぬ。
だが、犬は可愛い。ワンコワンコ。自分の骨をペロペロされたい――ワンコの魅力だけは人並に理解していた。
(犬の国ワルキュラ。
……良いな。このフレーズ)
犬が道端に溢れかえり、人間やアンデッド達が戯れる、そんな未来を夢想した……。
ただ、問題があるとするならば――
ワルキュラが『犬』と曖昧に指定したせいで――
「わぅーん!」
とんでもない事になってしまった。
【小説家になろう】
「歴史逆行内政チート物のテンプレを作った作品を教えて!」
http://suliruku.blogspot.jp/2016/02/blog-post_0.html
※異世界内政@〜〜靴を発明したパルメ
パルメ(´・ω・`)散歩よ〜
庶民(ノ゚ω゚)ノ(ノ゚ω゚)ノな、なんだっ!あれはっ!?
足に何かを付けているぞ!
パルメ(´・ω・`)これは靴という道具だ。
これを付けると、足が痛くならないし、尖ったものを踏んでも平気なんだ。
庶民(ノ゚ω゚)ノ(ノ゚ω゚)ノすげぇぇぇぇぇ!!!お前っ!天才だよっ!
パルメ(´・ω・`)(お前ら、素足生活で今まで辛くなかったのか……)
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