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世界救済の旅に出た裏ボス達。
まずは洞窟のすぐ近くにある鉱山都市ヴェルニースへと彼らは向かった。
あまりにも異形すぎる連中だったが、都市に入っても侵入を阻む者は誰もいない。。
友好的なら誰でもウェルカム。ただし、犯罪者はすぐに虐殺するのがElonaの治安クオリティ。
カルマと呼ばれる絶対の善悪の判断基準があるので、悪いことをしたら酷い目に会うのだ。
ちなみにそれぞれのカルマを数値化すると
●一般人 カルマ0
●黒猫 カルマ5
●死霊の神『アズラシズル』 マイナス100億
●機械の神『ウティマ』 マイナス30億
●猫の神『フリージア』 マイナス1億
●作者 マイナス100
こんな計算になる。
数値が振り切りすぎて、街を守るガードすら無視する邪悪さだ。
彼らは都市の南東にある賑やかな酒場に入る。
そこには、大勢の冒険者達や、ザナンの軍人達で賑わっていて、バラバラの吟遊詩人の死体があるだけの普通の酒場だった。
そんな彼らに、黒猫は保護欲を引き立てられるような可愛らしい声で
「困っている人間はいないのかにゃっー?
今なら最強メンバーで簡単に解決してあげるのにゃっ!」
幸運の女神から貰った仕事をやってあげようという気になっていた。
ただし、無料ではない。
ちゃんと報酬貰って生活費にする気満々の打算溢れた行動なのだ。
(馬鹿達を使って、お金を稼いで稼ぎまくってあげるのにゃっ。
武力だけならトップクラスのはずにゃっ。)
第2話 お酒泥棒と間違えて殺してごめんなのにゃ。
黒猫ちゃんの可愛らしさに惹かれて、酒場で給仕の仕事をやっている金髪の美少女が近寄ってきた。
茶色の衣服の上に、白いエプロンを纏っていて、活気が溢れてる。
その名を看板娘『シーナ』。美しいというよりも可愛らしさを感じさせる女の子。
よくパンティーが盗まれて、王都パルミアの貴族が購入しているほどにファンがいる。
シーナは黒猫ちゃんに自然な笑顔を浮かべて
「なら、お仕事を頼んでもいいですか?」
「何の仕事なのにゃ?
どんな仕事でも、楽々に解決してみせるのにゃっ!」
「ふふふふふ、可愛らしいですね。
仕事は酒場の酒樽を盗む窃盗団をどうにかして欲しいっていう簡単な仕事です。
街の北にあるお墓の方に拠点があるから、何とかしてくださいな。
無理なら断ってくれてもいいですよ?」
要約すると、窃盗団を皆殺しにして欲しいという意味になる。
シーナは可愛らしい顔をしているが、やっぱり、イルヴァの世界に住む住民だった。
「わかったのにゃっ!迅速に解決してみせるのにゃっ!
うちの所にいる『フリージア』なら楽勝なのにゃっ!」
「えっ?ふ、フリージア?」
黒猫の言葉に、シーナの笑顔は凍りついた。黒猫ばっかり見てたせいで、巨大人型ロボットが店の外にいたり、死霊の神が近くにいる事に今更ながらに気づいたのだ。
当の猫の神『フリージア』は、黒猫の願いを素直に聞いて
「わっちの出番じゃなっ!わっちは猫には優しいのじゃっ!」
次の瞬間、『フリージア』の姿が消える。
酒場にいた客達はその光景に驚愕し、賑やかな酒場に静寂が満ちた。
そして、十秒も経過すると、同じ場所に『フリージア』が現れる。
ボロ雑巾状態になった『虚空を這いずる者』の死体を片手に持ち、素敵な美少女フェイスで笑っていたっ!
完全に殺す相手を間違えている事に気づいていない。
墓でフードを深く被って不審者っぽい格好を『虚空を這いずる者』がしていた結果がこれだった。
墓にいた一般市民も皆殺し済みである。
「わっちに任せれば、十秒で往復して仕事を終えるのは楽勝なのじゃっ!褒めてくれてもよいぞっ!」
「すごいのにゃっ!窃盗団をこんなに早く皆殺しにするなんて凄いのにゃっ!
さすが猫の神様なのにゃっ!」
「ラグナロクっていう素晴らしい剣を戦利品としてゲットしたのじゃっ!今日は本当に気分が良すぎて最高じゃっ!」
褒められすぎた『フリージア』は腰をグイッとして胸を張った。
上半身は白いタンクトップしか着てないので素晴らしいナイスバディだ。おっぱいおっぱい。
酒場にいた客達は、可愛くて妖艶な『フリージア』に見惚れているが、1人だけ激怒している奴がいた。
真っ赤な髪を持ち、鍛えられた鋭い身体の男・・・・ザナンの英雄ロイターっ!
『虚空を這いずる者』ウェセルの良きライバルである。ちなみにサイモア王子の護衛でこの街に来た癖に、サイモアが立ち去った後もヴェルニースにいる不良軍人だ。
さすがに知っている男を殺された事に怒ったロイターは、剣を抜いて『フリージア』に斬りかかろうとする。
「貴様ぁっー!何をや・・・ヒデブッ!」
死霊の神『アズラシズル』が魔方陣を迅速に展開し、そこからアイスボルトがロイターに向けて放出され、ロイターは氷の彫像と化してバラバラに砕け散った。
ロイターを貫通したアイスボルトの光は、そのまま酒場にいた冒険者を6人ほど巻き込んで即死させ、バラバラ死体が酒場に転がった。
圧倒的すぎる実力の差に、酒場は死んだような沈黙に包まれている。
依頼を出したシーナは、今にも泣き出しそうだ。
主に酒場に死体が8個もあって、掃除するのが大変的な意味で泣いていた。
『アズラシズル』は、全身真っ赤の禍々しい格好でニヤリと笑って
「ふはははははははっ!我らに逆らう者は皆殺しにするぞぉっー!
先ほどの男のようになりたくなければ、逆らわない事だなぁっー!」
静まり返っている場で、『アズラシズル』は調子に乗っている。
魔法の研究だけやっている引き篭もりだと、皆が知っている有名人なのだが、実力があるせいでタチが悪い。
黒猫は巻き込んでしまった冒険者達に心の中で謝りながら、シーナの所までトコトコ歩き
「報酬を出すのにゃ。
冒険者達の事は気の毒だったのにゃ。」
シーナは、さっさと出ていって欲しいっていうウザそうな眼で、黒猫を見ている。
だが、黒猫の生活がかかっているので、大人しく帰る訳にはいかない。
「さっさと出すのにゃ。
冒険者の死体がダース単位で生産されて困るのは、そっちのはずにゃっ?
報酬さえ貰えば、帰ってあげるのにゃ。」
完全に脅しだった。シーナは大人しく、事前に用意していた報酬を鞄から出す。
鑑定の杖(残り12回)・モンスターボールLv5・金貨1500・プラチナ通貨2枚
仕事の内容的に考えて、破格といってもいい報酬だった。
黒猫は、そのアイテムに満足し、立ち去ろうとするが、『アズラシズル』が納得しないっ!
「少ないっ!少なすぎるっ!
我らを働かせて、たった、それだけとは何事だぁっー!」
「えっ?」
「魔法の研究費用の足しにもならぬぅっー!」
『アズラシズル』がゴネた。
事前に報酬内容を決めてなかったせいで、シーナは大後悔する。
話が通じそうな黒猫に助けて欲しい目線を送るが、黒猫は他の仲間達と一緒に酒場から出ようとしていた。
「ちょっと待ってください!
この人を何とかしてくださいっ!!」
黒猫は顔だけ振り向いて、全てを悟りきったような悲しい顔で
「神様はいつも傍若無人なのにゃ。
人生は諦める事も大切なのにゃ。」
飼い主が幸運の女神様な黒猫は、何かを思い出したかのように酒場から出て行った。
残るのは死霊の神『アズラシズル』。
真っ赤な禍々しいオーラを纏いながら、シーナに近づいてくる。
シーナは無駄だと思いながらも、店の中にいる冒険者に助けを求めようと声をあげた。
「だ、誰かぁっー!この変質者を何とかしてくださいっ!
・・・なんで、誰もいないんですかぁっー!?」
他の冒険者達は、壁を破壊して逃走済みだった。
酒場は、そこら中に穴が開いて、空気が通りやすい構造になった。
まさにボロボロ。
絶望したシーナは涙を流しながら、近寄ってくる『アズラシズル』を見る事しか出来ない。
『アズラシズル』は、可愛らしいエプロンドレスを着た美少女を見て癒されたのか
「ふははははははっ!金で払えぬというなら、身体で払うしかないよなぁっー?
1000年ぶりに女を抱いてみるのも悪くないと思ったぞっ!
寛大な我は、一晩の夜伽で今回の無礼を許してやるっ!」
「い、いやぁっー!」
イルヴァの地では、酒を飲まして酔わせて、性行為に及ぶのが日常になっている。
そして、ここは酒が大量にある酒場。
シーナの意志や抵抗は無意味だった。
死霊の神は、基本スペックが高いので超絶倫。
黒猫達と合流するのは、これから24時間後の事になる。
看板娘『シーナ』から伝説の固定アーティファクト【シーナの縞々パンティー】をゲットした!
『虚空を這いずる者』から終末を呼ぶ剣『ラグナロク』をゲットした!
窃盗団は全員生存して、ヴェルニースで悪さをやっているっ!
名声が何故か下がった!
シーナの好感度が天敵になった!
あとがき
(´・ω・`)サブクエストお酒泥棒を見事に成功させたよ!
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