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依頼を受けて、階段を登って二階に行くと貴族な格好をした人間風の男がいた。
キリッとした顔をしていて、とても健康的な肉を持っている。
黒猫ちゃんが生存者だと勘違いして近づこうとしたので、私は黒猫ちゃんの肩をトントンと叩いて注意する。

「にゃっ?どうしたのにゃっ?」

あれ、人間じゃないから近づいたら殺される。
吸血鬼っていう立派なモンスターなんだ。
ほら、あんだけ腰をグイグイして調子に乗っていて、口に牙が生えている人間は吸血鬼くらいだ。
肉の方は食べても安全らしい。
肉質を観察していると吸血鬼の男が、髪を謎の方法で逆立たせて、こちらに向かって叫んでくる。

「ふはははははははっ!
そこのカタツムリと黒猫ぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!
この俺様に全てを捧げるのだぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!!
URRRRRYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!!!!!!」

吸血鬼の男が尋常じゃない勢いで飛んで襲いかかってくる。
黒猫ちゃんは吸血鬼の叫び声に驚愕して

「どこのジョジョな世界の吸血鬼にゃっー!」

手に持った手榴弾(エーテル製)を投げて、吸血鬼の頭を見事に爆殺してバラバラにする。
おお、見事なナイスフォームと威力。
でも、あれくらいじゃ死なないから注意した方がいい。
吸血鬼は丈夫でしぶといのだ。
今も、失った頭が胴体から生えてきて

「ちくじょううううううううううううっ!!!!
この俺様の顔に傷をつけやがったなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
ゾンビどもぉぉぉぉぉぉっ!!!!こいつらの血肉を一滴残らず吸い殺せぇぇぇぇぇっ!!!!!」

ゾンビもいるのか面倒臭い。
ゾンビの肉は、とても危ない肉だから私は大嫌いだ。
身体が腐っている元人間だから、食べても美味しくないし、致命的なくらいに身体に異常がくるから大嫌いだ。ぷんぷん。

 

 

第10話   依頼内容が酷すぎる(後編)

 

 

二階の廊下の通路には、数十の部屋が隣接している。
その扉の一つ一つが開け放たれて、中にいたゾンビがうようよと湧き出した。
皆、腐っていて不味そうである。
私は縞々パンティーを持って、出てくるゾンビに次々と投げる。

「うー、食べちゃアベブッ!」「人肉よごぜぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
「美味しそうな肉をよごぜえぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
「おいじぞううううううっ!!!!!!!!」

パンティーに付与された幻惑属性でゾンビ達の身体が弾け飛び、周りに汚い腐った人肉が散らばった。
だが、幾ら殺しても殺しても、ゾンビ達は部屋から湧いてでてくる。
どの肉も食えない肉だらけで見ているだけで大嫌いだ。ぷんすかぷんすか。
人肉は新鮮な肉じゃないと食べる気にもならない。

「いきなりホラーすぎるのにゃっー!
この世界は本当に可笑しいところにゃっー!」

黒猫ちゃんの方は手榴弾を次々と投げて投げまくって、ゾンビ達を始末してくれている。
近づかれたら簡単に終了するだけに、黒猫ちゃんの活躍は凄まじい。
冒険者業界では味方殺しとか言われているおかげで、手榴弾は格安で手に入って素晴らしい。
前衛がいると前衛ごと吹き飛ぶ所が問題点な飛び道具なんだ。

「こんな時にも冷静すぎるのにゃっー!
あの吸血鬼の方をどうにかして欲しいにゃっ−!」

ふむ、吸血鬼の方は体力を回復させるために後方で休憩中だ。
迂闊に近づけば手榴弾の餌食になるのが怖いのだろう。
新鮮そうな人肉を食べながら、優雅に休憩している。

「にゃっー!人肉を食べているキチガイがいたにゃっー!
さっさと手榴弾の爆風に巻き込まれて死ぬといいのにゃっー!」

ゾンビの壁で吸血鬼にまで爆風は届いていないが、黒猫ちゃんは必死にツッコミを入れようとしている。
そんな可愛らしい黒猫ちゃんに、吸血鬼は

「吸血鬼が人肉を食べて何が悪ぃぃぃぃぃっ!!?!?!?!!
吸血鬼になった俺は人間以上の存在だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!
人間以下の貴様らとは違うのだよぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」

カタツムリの人権は低い。
モンスター風情の吸血鬼にすら、見下されるなんて屈辱だ。ぷんぷん。
私も主食が人肉だと教えてあげよう!(キリッ

「変な対抗意識を燃やすんじゃないのにゃっー!
ご主人様は大人しく、パンティーをゾンビにでも投げてればいいのにゃっー!」

黒猫ちゃんに怒られたが吸血鬼の方は興味を持ったようで、手元の人肉を噛み千切って

「ほぅ、主食だとっ・・・?
貴様は今まで何人分の人肉を食べたか覚えているかぁっー!
俺は吸血鬼になってから50人も食べたぞぉぉぉぉぉっ!!!!!!!
外には怖いガードがいるから出れなくて、新鮮な肉に餓えていた所だぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

ふふふふふっ!主食だから覚えてない!(キリッ
数を数えている時点でお前の負けだっ!
このエリートカタツムリな私に負けて、すぐに死んでくれると嬉しい!
みよっ!このパンティーのアダマンタイト製の黒い輝きをっ!
叫ぶと同時に吸血鬼の頭に向けて投げてみた。

「ぐあああああああああああああああっ!!!!!!!
俺様の頭がぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

また、吸血鬼の頭が弾け飛んだが、すぐに再生している。
だが、私はそんな事を許さないっ!
投げるパンティーはたくさん持っているっ!全部、世界一重い金属製っ!
パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!パンティーっ!

「あ、圧倒的なほどのパンティーの嵐にゃっ・・・!
ゾンビの壁すら通り越して、的確にパンティーを吸血鬼に当てているのにゃっ・・・!
そもそもパンティーが武器な時点で可笑しいのにゃっ・・・!」

まだ死なない。
凄い生命力だ。パンティーでダメージを与えながら行動不能にするので精一杯だ。
ゾンビの方は、黒猫ちゃんの手榴弾のおかげで何とかなっているが、膠着状態になっている。
二階は腐った血肉で汚染されていて臭い。

「ふざけるなぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
カタツムリのような最底辺のゴミが調子に乗るなぁぁぁぁぁぁ!!!!
究極の力を見せてやるぅぅぅぅぅぅぅぅうっ!!!!
URRRRRYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!!!」

向こうも魔法を詠唱し始めた!頭を重点的にパンティーで吹き飛ばさないといけないが、腕を犠牲にして防御してくるので詠唱を防げない。
なら、こちらも魔法を詠唱しよう。
幸い、こちらの方が魔法の詠唱の速度が速いので、向こうの魔法と同時に撃てそうだ。
見るが良いっ!私の切り札っ!ライトニングボルトの威力をっ!

「にゃっー!!?!!!」

私の魔法によって誕生した電撃は、前方にいた黒猫ちゃんを焼き殺して、吸血鬼の方に突き進む。
吸血鬼の方は、黒色の光線を放っていた。
お互いの光線がぶつかる・・・・なんて現象は起こらず、お互いに貫通して両者にあたる!

ぎゃあああああああああああああああああっ!!!!
何も見えないいいいいいっ!!!!!!!!!!
暗いいいいいいっ!!!!!怖いいいいいいいっ!!!!!
こうなったら、ひたすらライトニングボルトぉぉぉぉぉっ!!!!!
前方にライトニングボルトぉぉぉぉぉっ!!!!!!!
マナ不足になるまでライトニングボルトぉぉぉぉぉっ!!!!!!!
マナ不足になっても、激痛を堪えてライトニングボルトぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!
吸血鬼が死ぬまで魔法の詠唱はやめないいいいいいっ!!!!!!!!

「こ、この俺様が負けるだとおおっ!!?!?!?!
ありえないいいいいいいいっ!!!!!!!!!!!!!」

「た、助けて私は生存者・・・・ぎゃあああああっ!!!!」

 

 

 

 

ふぅ、危なかった。
黒猫ちゃんが黒こげな死体になっていたが、何とか吸血鬼を電撃で殺す事ができた。
暗黒の光線を浴びると視界が真っ暗になるから嫌だ。
黒猫ちゃんの蘇生代金を稼ぐためにも、さっさと臓器を取り出して転売しよう。
吸血鬼の肉は美味しそうな感じに焼けていて良いにおいがする。むしゃーむしゃー。
吸血鬼の方は臓器としては役に立ちそうにないが、無事な目玉や骨は売れるから貰っておこう。
ゾンビの方は余裕が出来たら回収する(キリッ
おお、この装備とか高く売れそうだ。
私は何でも鑑定団。見るだけで値段がわかる。
この装備は、とても良い装備だ。
周りに付着した吸血鬼の肉が邪魔だから食べてしまおう。むしゃーむしゃー。

 

 

 

 

 


「味方ごと巻き込む時点で駄目なのにゃっー!」

ガリッ!

あとで黒猫ちゃんを蘇生したら頭を爪で引っ掛かれて怒られた。
誤射しないために魔力制御を鍛えようと思ったけど、魔法はお金がたくさんいるから練習なんてやめた。
今日はある程度稼げて調子がいい。
最後にこの依頼をちゃっちゃっとやって、家に帰ろう。


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依頼主   街の長グラン

宿屋の亭主が持っている子供の肉が欲しいっ!羨ましいっ!
誰か、あの肉を持ってきてくれ!報酬は弾む!

報酬  金貨500枚 + エロ本
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これは簡単な依頼だ。
そこらへんを歩いている人間の子供を加工すれば、簡単に達成できる(キリッ
そう思って、次の依頼は安全だという事を伝えたら

「この街は核兵器で吹き飛ばした方が世界のためになるにゃっー!
どこかで核兵器を買ってくるにゃっー!」

ガリッ!

今日は頭を爪でよく削られる日で困った。
カタツムリ専用防具が欲しい。
吸血鬼の肉を食べながらそう思った。むしゃーむしゃー。

 

 

あとがき

(´・ω・`)そこらへんに落ちてるゴミが欲しいっていう変な依頼がたまにある(キリッ

 

 

 

10話のコメントまとめ
http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Nizsousaku_Tanpen/Elona/c_10.html

 

 


 


 

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